「中居正広の金スマ」元Pが語る、コロナ禍でもパニクらない“歴史の見方”
「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」(ともにTBS。後者はのち「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」に改題)を手掛けてきたバラエティプロデューサー、角田陽一郎さん。
現在は東大大学院で文化資源学を研究中でもあります。バラエティ番組のように楽しみながら読める近著『最速で身につく日本史』(アスコム)を上梓、現在のコロナパンデミックをどう歴史的に考えるかを説いています。(以下、角田陽一郎さんによる寄稿)
2020(令和2)年は新型コロナウィルスの世界的な大流行(コロナパンデミック)により世界中で多くの死亡者、被害者が出て、経済的・文化的活動に大打撃を被りました。しかし、昔から疫病は人類を苦しめているのです。
例えばコレラです。
もともとインド・ベンガル地域ガンジス・デルタの風土病だったコレラは、ヒンドゥー教巡礼者の「聖なる移動」と、イギリスの植民地化によるグローバル社会の到来で世界中に拡まり、パンデミック化します。コレラパンデミックは5回あったと言われます。
第一次(1817-1824):インド、中国、日本(江戸時代)
第二次(1829-1837):世界的流行病化(江戸時代)
第三次(1840-1860):第一波は1840-1850(江戸時代)、第二波は1849-1860年
第四次(1863-1875):地理的には最大の流行となる(幕末、明治)
第五次(1881-1896):コッホによるコレラ菌の発見(明治時代)
最後の明治期の流行では、1877(明治10)年以降1895(明治28)年まで、2~3年ごとに1万人を超える死者を出す大流行を繰り返し、日清・日露戦争の戦死者数(約10万人)を圧倒的に上回る約37万人もの犠牲者が出たのです。
その歴史的事実と、2020年のコロナ・パンデミックを重ね合わせてみると、今まで私が思いもしなかった事実に気付きました。
例えば、作家の夏目漱石(1867 -1916)は青春時代をこのコレラパンデミックの中で過ごしていることになるのです。
「いつ誰がコレラに罹るかわからない、いつ自分もコレラで死ぬかわからない」そんな死の恐怖は当然彼の作品の死生観にも多大な影響を残しているのではないでしょうか。
そしてそれは漱石だけでなく、あらゆる人の想いに影響し、そんな中でその時代の文化は作られていったのです。
では令和の時代、コロナパンデミックはどんな文化を作っていくのでしょうか?そんな想いが歴史を振り返っていく中で巡ってくるのです。

明治期の日本は、コレラで37万人が死亡した
コレラと夏目漱石の青春時代。コロナはどんな文化を生むか
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