更新日:2023年03月20日 11:18
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「娘をレイプした父親を無罪」バカ判決の裁判長は他にも…

児童ポルノがダメで……

 ある日、常連客の男がマイクロビキニ(ほとんど全裸に近いひも状の水着)を持ち込み、「これを着て撮影させてくれるなら、倍の金額を払う」と交渉してきたので、店の女の子たちに掛け合ってみると、「1万円の追加料金をもらえば、やってもいい」と言われ、こうした裏オプを作ったところ、売上が爆発的に増えた。最終的にはヌード撮影にも応じるようになり、警察に目を付けられることになった。
JKビジネス

※写真はイメージです

 法廷に現れた男に対し、鵜飼裁判長はこんなふうに諭した。 「あなたは今回の事件でどこが悪かったと思うのですか?」 「お客とは友達感覚でワイワイ楽しみながら、お金を稼いでくれたらいいと思った。女の子たちと仕事をしている時間は楽しかった。彼女たちにも喜ばれていると思っていた」 「未成年に安易にこのようなことをすると、大人になったときのことが心配です。あなたは未成年に悪影響を与えたのですよ」 「当時は自分の利益のことしか考えていなかった。法律に関して考えが甘かったです。このような仕事は被害者を増やすだけなので、もう2度とJKを売りにした仕事はしません」  この男は起訴された2人のうち、1人と示談が成立していたため、執行猶予付きの有罪判決を言い渡されて釈放された。  それにしても児童ポルノ製造がダメで、実際の性行為が「無罪」とは何なのだろうか。店主と従業員の関係どころか、圧倒的な権力差のある親子関係において、父親に性行為を迫られることは恐怖以外の何物でもないだろう。そこに同意などあるはずがないのに、「抵抗しようと思えばできたはず」という理由で無罪判決になったのだ。  思えば、裁判員裁判が導入されたきっかけも、「裁判官の常識はあまりにも世間一般の常識とかけ離れている」という世論の高まりがきっかけだった。今回の判決はその機運に準ずるものと言うしかない。〈取材・文/諸岡宏樹〉
ほとんどの週刊誌で執筆経験があるノンフィクションライター。別名義でマンガ原作多数。1969年生まれ。三重県出身。近著に『実録 女の性犯罪事件簿』
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