YouTubeの「文字だけ動画」作成者を直撃。パクリでいくら儲けたの?
YouTubeなどの動画サイトで文章だけが流れる「文字だけ動画」を目にした経験はないだろうか。たとえば、タイトルにとある事件の名称が組み込まれているものの、視聴してみると、事件現場の雑感や関係者のインタビューが流れるわけでもなく、新聞やネット記事が文字で延々とスクロールされるだけ、というものだ。
ネットで動画を視聴することが日常的な人にはお馴染みかもしれないが、以前、知人から「お前の記事をYouTubeで読んだ」と言われ、不思議に感じたことがある。
筆者の書いた記事が民放ワイドショーなどに取り上げられることもあるし、そうした番組の動画を見たのか、などと思っていた。しかし実際は、前述のような「文字だけ動画」に筆者の記事が丸パクリされ、勝手に垂れ流されていたのである。
約2年ほど前、筆者の書いた記事や他サイトから無断転載した記事だけで作成された「まとめサイト」の管理人を直撃し、取材を行っていた。
その過程でこうした「文字だけ動画」の作成者にも事情を聞いていたのだが、そのときは蛇足だと思って記事には反映しなかった。当時の取材メモを改めて読み返してみる。
案の定、「文字だけ動画」の作成者は、YouTubeなどの動画サイトで収益を得ようとする「アフィリエイター」だった。そして、彼らの多くがこれらを「副業目的」でやっていたこと、さらに、副業をするに至ったきっかけが「情報商材」であったことも判明したのだ。
まとめサイトに掲載された筆者の記事を「文字だけ動画」にして、YouTubeで垂れ流していた人のツイッターアカウントに、いじわるなDM(ダイレクトメール)を送ってみたところ、観念したのかベラベラと喋ったのである。
――記事のご利用ありがとうございます、山口(筆者)でございます。使用料をご請求させていただきます。
「すぐに取り下げます、著作権があるとは知りませんでした」
――すでに(たったの)数十回、再生されています。そのぶんの使用料はご請求させていただきます。
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません、実は……」
YouTubeの「文字だけ動画」作成者を直撃、その正体は…
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新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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