更新日:2023年03月28日 09:12
ライフ

便所で愛妻弁当を食べる非正規社員。正社員とのランチ格差がツラい

弁当が恥ずかしくて非常階段で食べている

「さすがに便所では飯を食えないので、非常階段とか地下駐車場で食べてますね」  こう話すのは、都内の大手広告会社の非正規社員・丸田成人さん(仮名・20代)。前出の酒井さん同様、若くして世帯持ちであり、自宅の購入資金を捻出するために、日々節約を強いられていると言うが……。 「弁当を持ってくると『貧乏くさい』と特に女性の正社員から笑われます。正社員が弁当を持参していれば『えらい』とか『奥さんに愛されている』と言われるのに、です。これは差別ですよ。社員がコンビニのサラダチキンを食べていれば『体に気を使っている』となるのに、非正規の我々がチキンをかじっていると『かわいそう』と……。  同じ境遇のはずの非正規女子社員も、そうした嫌味をいってくる。お前らに何がわかるのか、と言い返したくもなりますが、そういうのもバカらしいので。非常階段で愛妻弁当を食べていたら、同じような境遇の非正規社員の数人と知り合いになれて、わりかし楽しいランチタイムを過ごせていますが……」  食い物のレベルで笑われて、節約しようとすればそれでまた笑われ、バカにされる。非正規社員が感じる悲哀の一コマなのかもしれないが、こうして改めて振り返ってみると、こんなに陰湿なことはない。<取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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