猫ひろし×松久淳が、マラソン好きになる方法を本気で考えてみた
いまマラソンがブームだ。皇居の周りは大量の汗をかきながら走るランナーの姿であふれ、ある時期になると「東京マラソン外れた」と嘆く言葉でSNS上はあふれ返る。だが正直、ただひたすら走るという行為の「何が楽しいのか」「辛いだけじゃないのか」と理解できない人も多いだろう。
そこで今回はカンボジア代表として東京五輪出場を目指すマラソン選手で、お笑いタレントの猫ひろし氏と、中年になってマラソンの魅力に取り憑かれ、ついにはマラソンエッセイ『走る奴なんて馬鹿だと思ってた』まで上梓してしまった作家・松久淳氏に「未経験者でもマラソンにハマる方法」について真剣に語ってもらった。
「そもそも猫さんと僕じゃメジャーリーグと草野球くらい違うのに、同じ土俵でなんて語れないですよ」と謙遜する松久氏。だが、彼が執筆したマラソンエッセイ『走る奴なんて馬鹿だと思っていた』には、40歳を越えてもマラソンを楽しく続けられるコツがたくさん描かれている。そんな2人の対談を読み終わった頃には、きっとランニングシャツを着て、家の近所を走りたくなっているにちがいない、たぶん……。
松久淳(以下、松):そもそもなんですけど、マラソンに人生を重なる物言いをする人って多くないですか? 子供の感動的な手紙のおかげで走りきれたとか、ゴールしたらプロポーズしようとか(笑)。それが敷居を上げてしまっている気がするんですよね。
猫ひろし(以下、猫):なんかマラソンは辛いものって印象を与えちゃうかもしれませんね。
松:ハマる方法じゃないですけど、まずそういうのが好きな人はやらないほうがいいですよね。
猫:たしかに。でも、僕はフルマラソン3時間を越えたら、芸名の猫ひろしから本名の「瀧﨑邦明(たきざきくにあき)」に戻すってルールをテレビ局に課せられましたけどね(笑)。
松:そんな仕組みがあったんですか(笑)。
猫:僕は1人で走るのも、みんなで走るのも好きなんですが、最近ハマっているのがトレットミル(ランニングマシーン)。40歳をすぎてからドラマにハマったんですが、目の前にそのテレビドラマを流しながら走るのがいいんですよ。
松:それは最近、Huluに入ったとかそんな理由ですか?(笑)
猫:Tverですね。最初は「戦艦ポチョムキン」とか無声映画から入って、慣れてきたらドラマに。でも、Tverって1週間で番組が消えちゃうから、続きを視るためにものすごいペースでトレットミルをやらなきゃで大変で。
松:僕は景色が変わらないと嫌なので、本の中でも書いたんですが、ジムでランニングマシーン走る人の気持ちがわからない、と。でも、それは楽しそうですね。僕は街の中を走るのが好きなんです。両耳にイヤホンつけて好きな音楽を聴きながら……って憧れるんですけど、耳を塞いだら車に轢かれそうで怖くてできない(笑)。
猫:エンジン音の静かなハイブリット車とかね(笑)。あと、信号のない横断歩道も危ないんですよ。歩行者を気にせずに突っ込んでくる車がけっこういるんで。
松:あと街中でランニングするときに気をつけなきゃいけないのは、ウーバーイーツ(笑)。自転車は歩道が青になっても突っ込んできますからね。って、これじゃあ、みなさんマラソンにハマらないじゃないですか(笑)。
街中で走るときはウーバーイーツにご用心
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『走る奴なんて馬鹿だと思ってた』 松久さん、僕が教えたら4時間切れますよ! ――猫ひろし |
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