更新日:2019年08月07日 14:53
スポーツ

令和元年の甲子園ガイド 本命不在、優勝校はどこだ?

プロ注目投手たちに2年生スラッガーが挑む!

 夏の甲子園では、昨年の吉田輝星のように大ブレイクし、一躍、時の人に駆け上がる投手が現れる。そんな令和最初のスターとなるのは誰なのか。 「高校BIG4(大船渡・佐々木、創志学園・西、横浜・及川(およかわ)、星稜・奥川)と呼ばれる投手のなかで、唯一甲子園に出場する星稜の奥川は今大会の目玉。速球、変化球ともに精度が高く、ゲームメーク能力はプロ即戦力というスカウト評もあります。花巻東の西舘勇陽(ゆうひ)も、菊池雄星、大谷翔平に次ぐ逸材として1年時から注目されてきました。近江の左腕・林優樹は、ストレートが130km台ながら打者の手元で伸びる好球質。チェンジアップは落差が大きく『魔球』と称されるほどです」(菊地氏)  柳川氏は、星稜の奥川に続く要注目投手として2人を挙げた。 「津田学園の前佑囲斗(ゆいと)は、最速148kmの本格派。センバツのような活躍ができれば、ドラフト上位候補でしょう。霞个浦の鈴木寛人(ひろと)はスピン量のいいストレートに高速スライダーが持ち味。全国的には無名でも甲子園の活躍によってはスターダムにのし上がるかもしれません。霞ヶ浦は未成年への不祥事が発覚した綾部翔(かける)投手(DeNA)の母校なので、ここで汚名返上といきたいところです」
甲子園

186cmの長身から投げ下ろす速球は148km。スライダー、カットボール、フォークを操る鈴木寛人(霞ヶ浦)

甲子園

津田学園の前佑囲斗はセンバツでブレイクした

 こうした有望な投手たちには大きな期待がかかるが、その起用法には令和の新時代らしく、変革の波が寄せている。岩手大会の決勝戦で登板を回避した前出の大船渡・佐々木の起用法が物議を醸したように、連投による故障のリスクを懸念する声は増す一方だ。「先発完投」というこれまでの“様式美”は崩れ始め、複数投手制、故障防止へと各校が舵を切りつつある。 「明徳義塾の名将・馬淵史郎監督は、決勝で投げる投手をあらかじめ決め、逆算して予選を戦っていました。準決勝までは、ほかの投手陣の継投で勝ち上がり、決勝で万全の投手を先発に起用して宿敵高知に勝ちました」(柳川氏)  一方、注目投手に立ち向かう強打者も今年は粒ぞろいだ。特に、センバツで史上初の先頭打者本塁打&サヨナラ本塁打を1試合で記録した明石商の来田涼斗(きたりょうと・2年)は、両氏とも絶賛。今年の甲子園は、2年生が豊作だ。 「4番の山村崇嘉(たかよし)をはじめ、鵜沼魁斗(うぬまかいと)、西川僚祐(りょうすけ)ら東海大相模の打線を担う2年生トリオは、間違いなく来年のドラフト候補でしょう。履正社の小深田(こぶかだ)大地は、その飛距離もさることながら、打席での独特なルーティンに注目です」(同)  投手起用法や下級生の台頭など新時代にふさわしい話題があふれる今年の甲子園。令和初の優勝旗の行方やいかに。
次のページ right-delta
令和元年・晴れの49代表校
1
2
3
週刊SPA!8/13・20合併号(8/6発売)

表紙の人/ 大原優乃

電子雑誌版も発売中!
詳細・購入はこちらから
※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める!
【関連キーワードから記事を探す】