「帰省していた実家から東京のアパートに戻ると、南窓に面していたコインパーキングが、マンションの建設工事現場に一変していました。朝から酷い騒音に悩まされて。しかもそれがきっかけで、まさかストーカー被害に合うとは…」

写真はイメージです(以下同じ)
そう語るのは、宝飾デザイナーの結城まどかさん(仮名・27歳)。工事の騒音問題とストーカーという、何も関係がなさそうな組み合わせ。一体どういうことだろう?
役所に相談しても、騒音問題は解決せず
「自宅で仕事をしていることもあり、毎日の騒音は本当にしんどくて。業者に文句を言おうと思っていたんです。でもその頃、彼氏と別れたばかりで、頼りになる人がいなかったんですね」
マンション工事は近隣の住民に挨拶もなく始まったので、周囲の住民も怒り心頭だったが、「一致団結して業者と交渉」という流れにならなかった。「交渉してもムダだ」と反対する住民がいて、バラバラになってしまったという。

そのため結城さんは、市の相談窓口に出向いたが、市が認可した工事を中断させるのは困難だということもわかった。騒音レベルも問題なしの判断だったそう。
「騒音が法定レベルを超えなくても、作業中の私にはイライラが募るんです。行政はアテにならないとわかりました」
その頃、結城さんは週3回、繁華街にあるバーでバイトしていた。そこによく来店していた高校時代の先輩の木村さん(仮名・34)に助けを求めた。
「私が業者に交渉しても舐められるのは分かりきっていたから、男性に頼もうと思ったんです。あの時すぐにお願いできたのが木村さんだけで、彼にした理由が他にあったわけではなかったんですが…」
苦境に立たされていた結城さんを、木村さんが「作戦会議をしたい」といってホテルのレストランに食事に誘ったという。
「フレンチでワインもご馳走してくれました。申し訳ないという気持ちと、一方で下心があるのではという気もしました。もし期待させているのなら、交渉に成功してもらいたいけど、成功したらアタックされるかもしれないと、ちょっと不安も感じました」
ところが業者との交渉は失敗。結城さんが落胆すると、先輩の態度が豹変したそうだ。
「先輩にLINEを返す回数が減ると、電話が何度もかかってきました。忙しくてスルーすると、怒りの言葉がLINEで来るんです。うざくなって、既読もしませんでした」