逃亡犯条例が撤回されるもいまだにデモが続く香港。

9月11~12日、香港を取材した
筆者は以前、香港にある日本人キャバクラで働いていた。デモにより街はどのように変化したか(特に夜の街)が気になっていた。そこで、条例撤回から1週間後の9月11~12日、一帯一路サミットが挙行された香港の取材を敢行した。
デモがあった形跡すらない空港に困惑
11日の正午に香港国際空港に到着したのだが、報道とは違った街の様子に困惑した。観光客が少ない程度で、街中で黒い服を着ている人すら見当たらない。
「デモが行われるのは週末だけで平日は特に問題はない」、現地に住む日本人からそう聞いてはいたが、デモがあった気配すらまったく感じられないのだ。

一帯一路サミットの会場前
その後、タクシーに乗ってサミット会場へ向かった。一帯一路サミットが行われるのは香港島の湾仔にあるコンベンション・アンド・エキシビション・センター(香港会議展覧中心)。一時は中止かともいわれていたサミットは、普通に行わているようだった。だが、会場に着いて驚いたのは会場周辺が驚くほど和やかなムードだったことだ。

8月に激しい衝突が起きた湾仔駅前
サミット前は「サミットに合わせてデモが行われる可能性がある」という報道もあったのだが、緊迫した空気すら感じられない。サミット会場内に関係者以外入ることはできないが、コンベンションセンターの建物は他の商業施設と併設しているのであっさり入ることができた。会場前に警備員は多少いるものの、掲げられたサミットの看板を撮影しても特に止められることはなかった。
予想と違った会場の様子に少し拍子抜けした。

日本人キャバクラがある銅鑼湾の夜
だがその日の夜、以前働いていたキャバクラのある銅鑼湾へ行くと普段とは打って変わった人気の無さに驚く。以前は夜になるとたむろしていた香港人の若者や日本人出張客の姿もなく、昼間は人が多いデパートのそごう前も、まるで朝方のような静けさだ。