「ないと言えばウソになりますが、もともとキャリアアップを考えていましたし、環境を変えるほうが手っ取り早いかなって。一応、親しい同僚には上司同様、ちゃんと説明しましたけどね」 　それ以降は何もなかったそうだが、2年前になって急に彼女から結婚式の招待状が届く。自身はすでに結婚し、独身時代住んでいたマンションからは引っ越しており、彼女には当然新しい住所は伝えていない。 　当然出席するつもりはなかったが、そうした経緯からあえて返信せずにいた。すると、しばらくして見知らぬ番号から電話があり、出ると彼女だったという。 「住所も含め、共通の知人から聞いたみたいです。まるで長年の友人かのような態度で『久しぶり～。結婚式、出てくれるよね』と言ってきたので、あんなことされて出たいと思うわけないだろと伝えて切りました。もちろん、すぐに着信拒否してやりましたが、どのツラ下げてそんなこと言えるのかなって。そんな女性と一時は本気で結婚する気でいたわけですから本当に嫌になっちゃいますよね（苦笑）」 　恋人を一方的に捨てたうえ、相手をストーカーにでっちて会社も辞職に追い込むのは悪質。しかも、連絡先を教えていないのに住所も電話番号も突き止められているのは、ちょっとしたホラーだ。 　むしろストーカー被害に遭っているの彼のほうだと思うが……。＜TEXT／トシタカマサ＞ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。