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ユニクロの時価総額は世界第2位…その強さの根拠を数字で読み解いてみた

 突然ですが、質問です。今、あなたが身につけている服の中にユニクロ製品はありますか? 下着や靴下も含めて考えてみてください。  かなりの方がユニクロ製品を身に着けていたのではないでしょうか。 Uniqlo かつて、日刊SPA!では街頭でユニクロ製品の着用率を調査したことがあります。調査の結果、実に8割弱の方が何らかのユニクロ製品を身に着けていました。この50人の調査を読んだだけでも、その影響力と市場占有率を実感できるのではないでしょうか。  そんなユニクロを展開するファーストリテイリング<9983>(以下、ユニクロ)は、今や世界の主なアパレル製造小売業の時価総額ランキングで2位となっています。  ちなみに、1位はインディテックスという会社。ZARAを展開する会社で、時価総額は約9兆5000億円。2位のファーストリテイリングが時価総額約7兆円とこれに続いています。今後、数年以内にユニクロはZARAを抜くことは間違いないと予想されており、むしろ今後の同社のライバルはAmazonであるとも言われています。  では、ユニクロはなぜこんなに強いのでしょうか? 財務分析を踏まえながら3分で解説していきましょう。キーワードは、「もはやアパレルじゃない。ユニクロはあの業界と一緒」です。

アパレル界の非常識、ユニクロの常識

 ユニクロの本質を一口で言えば「無駄なものを作らない、運ばない、売らない」。同社の「勝ち」の理由は、徹底的な効率化です。  “効率化”とは、この手のビジネス記事ではよく見かけるキーワードなので「また効率化か…」と思う方も少なくないかもしれません。しかし、過去数百社の企業分析をしてきた私から言わせれば、ユニクロ以上に効率化を進められている企業を私は知りません。それほどユニクロの効率化は「ここまでやるのか!」と思えるものなのです。  ざっと言えるポイントは2つ。 ●ここまでやる!ユニクロの効率化①…商品売れ行きを徹底管理する「RFDIタグ」  アパレル業界の最大の敵は、何でしょうか。答えは、在庫。  ユニクロはその在庫ロスを防ぐために商品企画から販売までの情報を一元管理し、AIデータを利用して需要予測の精度を徹底的に高めています。これにより、アパレル業界では驚異的な在庫ロスの削減に成功しており、利益率の改善に成功しています。その鍵を握るのが、「RFDIタグ」と呼ばれるタグ。このタグの導入により、商品に触れることなく価格や品番、色・柄などを瞬時に認識でき、検品や在庫管理、たな卸しなどの生産性を改善することに成功しました。 ●ここまでやる!ユニクロの効率化②:100人の作業を10人に抑える「物流の効率化」  さらにアパレル業界の最大のコスト要因として挙げられるのが、物流。  一般に、利益率の高いIT業界と比較して、アパレル業界はどうしても物流コストがかさんでしまいます。ここには、配送料だけでなく人件費も含まれます。しかし、ユニクロはここにもメスを入れました。特に、2018年10月に着手した物流システム世界最大手のダイフクとの戦略的パートナーシップ締結により両社から特別チームを編成し、よりよい物流環境の構築をめざし一気通貫した自動化設備導入を実現。これによって、商品の保管効率は3倍になりました。  さらに、国内のEC倉庫では自動化による省人化に成功し、100人の作業員を10人に削減できるようになりました。「勝てない」と言われていたアパレル業界の“敵”を次々と倒していく。まるでラグビー日本代表のように強い敵に立ち向かう姿がユニクロの姿なのです。
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躍進の鍵は海外展開
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