腕時計投資家の斉藤由貴生です。
私はファミレスで原稿を書くこと多いのですが、最近はファミレスよりも郊外型コーヒーチェーン店にハマっています。
ファミレスの場合、落ち着いて執筆するためには、時間帯や店舗のカラー(客層など)を吟味する必要があるため、気を遣う場面が多いと感じます。その一方、郊外型コーヒーチェーン店の場合は、勉強や仕事してもOK的な寛容さがあるため、安心感があるのです。
例えば、私の大学の友人には、浪人生時代、コメダ珈琲に大変お世話になったという人がおり、毎日コーヒー1杯で勉強させてくれたと感謝していました。
コメダ珈琲のモーニングでは定番のゆで卵
彼は名古屋に近い地域の出身だったため、かなり早い段階からコメダが身近だったのですが、東京出身の私の場合、コメダが身近に感じたのは2010年代になってからという印象です。
その後、コメダ珈琲に対抗した大手資本のコーヒーチェーンが続々登場。今の時代、激しい競争が繰り広げられているように感じます。
ということで今回は、大手資本のコーヒーチェーンの中から、コメダに勝ちそうなところはどこか? ということを勝手に考えてみたいと思います。
コメダ最大のライバル? ドトール系の星乃珈琲店
ドトール・日レスホールディングスが運営する「星乃珈琲店」は、今最もコメダのライバルといわれる存在でしょう。
実際、店舗数は多く、郊外型コーヒー店という観点ではコメダの次に多いといえるかと思います。
コメダ珈琲は、おしゃれでないのが「良さ」といわれることもありますが、それはある意味“日常の延長線上”にあるといえるかもしれません。それに対して星乃珈琲店は、軽井沢の喫茶店に来たかのような印象を受け、テーマパークのような非日常を感じます。
店舗ロゴは、「茜屋珈琲店」を意識していると思いますが、茜屋珈琲店こそ、軽井沢で有名な喫茶店(軽井沢以外にも存在)。また、店内の雰囲気も、どことなく軽井沢の別荘のようで、初めて店内に入った際、私は「すごく良い!」と感動した記憶があります。
星乃珈琲店は、非日常感が漂う上質なクラシカルさ。大正と昭和の良さを融合した感覚がある
また、店舗入口には昔ながらの食品サンプルが飾られており、どことなく昭和な純喫茶的雰囲気と、軽井沢の大正ロマンな上質クラシカルさが相まって、独特のバランスを形成していると思います。
そういった体験はコメダ珈琲ではできないため、まさにコメダにない要素をしっかり抑えたという印象。ただ、クラシカルな雰囲気のせいか、比較的若い人が少ないと感じます。そういったこともあってなのか、19時で終了というように、営業終了時間が早めな店舗もあります。
私個人としては、最近あまり星乃珈琲店に行っていません。なぜかというと、パソコンが使いづらいからなのですが、席とテーブルの高さが、パソコン作業するには辛く、避けることが多いのです。
店内ではサラリーマン風な人を見かけますが、彼らは仕事をするというよりは、仕事の途中の休憩に寄っているという印象が個人的にあります。星乃珈琲店は雰囲気が良いため、打ち合わせといったように、複数人数で行くのに適していると思います。
そういった意味では、星乃珈琲店はコンセプトが魅力的であるものの、オールマイティさに、ややかける印象です。
丸亀製麺でおなじみ、トリドールが運営するのが「コナズ珈琲」なのですが、こちらは、コンセプトを突き詰めて、完全に顧客を絞った印象です。
店内は「ここは原宿のおしゃれカフェ!?」と言わんばかりの空間なのですが、そういった印象は、店の内装にとどまらず、客層からも感じるのです。
店内にいるのは、ほぼ若い女子。男性がいたとしても、ほとんどがカップルで女性の連れという印象です。私は、一度つくばのコナズ珈琲に1人で入りましたが、男性客は私しかいませんでした。
先日も、つくばのコナズ珈琲を見てきたのですが、店から出てきた若い女性が、スマートフォンで店の写真を撮っていました。おそらくインスタ映えするのでしょうが、女子が店の外観を撮影する様子など、コナズ珈琲以外で見たことがありません。
店内もまるでディズニーランドのハワイアンレストランに来たかのような雰囲気で、インスタ映え間違いなし。ちなみに、店内BGMは高級スピーカー「JBL 4312M(つくば店)」から流れていましたが、このような高級品を使っているのもチェーン店では稀だといえます。
コナズ珈琲はまさにインスタ映えする雰囲気。ディズニーランド的な可愛さを感じる
コナズ珈琲は、「おしゃれ」な方向に突き詰めている印象なので、コメダのライバルというよりは、“郊外の原宿”といった新しい需要を生み出しているように感じます。
もちろん、私はコナズ珈琲で執筆することも、打ち合わせすることもないでしょうが、完全ニューウェーブなコンセプトであるため、今後どうなるのか興味深いと感じます。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、
「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『
腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『
もう新品は買うな!』がある
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