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読み手をハッとさせる上手な文章の“型”とは?

昨今、企画書や提案書だけでなく、メールやSNS、ブログなどビジネスやプライベートを問わず、文章を書く機会が増加している。企画書の書き方ひとつ、メールの打ち方ひとつで、上司や恋人から誤解を受けてしまったという経験がある人も少なくはないだろう。そこで、「国語力」関連の著書を多く持つ国語塾講師、福嶋隆史氏に上手な文章を書く秘訣を聞いた。

◆「うまく書こう」とするほど、書けなくなる!? 文章のプロたちの(秘)テクとは?

福嶋隆史

福嶋隆史氏

「夏休みに読書感想文が課題として出されるのに、夏休み前に書き方の指導を行う学校は皆無に等しい。日本の国語教育では、文章の書き方に関する教育が圧倒的に不足しています。いい文章とは、万人が理解できる文章のこと。“型”に当てはめて書けば小学生でも正しく伝えることができ、ハッとさせる文章を書くこともできるんです。なかでも『言い換え』と『対比』が特に重要です」

「言い換え」とは、名詞化するなどして短くし、要約された文章を書くこと。あるいは、ことわざや比喩を使って、よりわかりやすく的確に言い換える技術のことだ。

 一方、「対比」はとにかく機械的に、天秤にかけたように左右対称の文を書くこと。

「読み手をハッとさせる上手な文章とは、『常識を再発見させてくれるもの』か『常識を非常識とする逆説』のどちらか。そして、それを手助けしてくれるのが“型”なのです」(福嶋氏)

 例えば、単に「教師が勉強すれば、生徒も伸びる」だったら当たり前と思うだけかもしれない。しかし、「学ばない教師の生徒は伸びない。学ぶ教師の生徒は伸びる」と対比構造で見せると、読み手をよりひきつけることができるのではないか。言葉の意味を考えずにはいられないきっかけ、気づきを与えたこの福嶋氏のツイッターのフレーズは、大きな反響を呼んだ。

◆逆転の発想が新しい気づきを与える

「『常識を非常識とする逆説』に効果的な“型”が『むしろ』です。『「どう書いてもいい」というのは、自由を与えることにはならない。むしろ、束縛を与えることになる』というように、『自由に書いて(話して)いい』と言われると、逆に難しいですよね。自由を与えることが、実は束縛になっているのです。目の前の常識を非常識だと捉えてみる。ニュースを見たら、まず疑ってかかってみる。『◯◯はAではない。むしろB』という“逆転の発想”は、斬新な発想や気づきを与えてくれるでしょう」(福嶋氏)

 説明が伝わらない、話を誤解されやすい、読み手を引きつけることができない――そんな文章に関する悩みの多くは、“型”を使うことで解決できる。そして、上手な文章を書くこととは逆説的であるが、テクニックに頼るのではなく、基本に立ち返って“型”をトコトン重視して書くことなのだ。“型破り”はその後でいい。誤解を与える文章や理解できない文章は悪文と心得るべし!

【福嶋隆史氏】
小学校教諭を経て「ふくしま国語塾」主宰。子供から大人までを対象にした「国語力」に関する著書を多数持つ

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