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新型コロナウイルスを巡って「デマと差別」が横行

日本でも中国人に対する差別が…

 ただ、こういった「差別」の兆候は中国国内に限った話ではない。周辺の国々でも「中国人観光客お断り」の店が出始めており、日本においても、中国人に対する風当たりは厳しくなっている。  1月31日時点、ツイッターの検索欄に「中国」と入力すると、「中国人 死ね」「中国人 迷惑」「中国人 帰れ」などといったワード予測がズラリと並ぶ始末……。  帰省しなかった中国人留学生が、中国人であることを理由に就職説明会への参加を断られたツイートも話題となっている。前出の久住氏が話す。 「感染症の歴史はデマや差別の歴史そのもの。近代科学の時代以前は、疫病が感染症であることさえわからなかったので、疫病が流行するたびにデマが広まっています。  14世紀にペストが世界的に流行したときは『毒蛇の肉が特効薬』『トイレの悪臭を吸いこめばうつらない』といったデマが流れたり、疫病の蔓延した原因がしばしば特定の人々に押しつけられました。  たまたま、ユダヤ教徒の死者が少なかったことから『彼らが井戸に毒を投げ込んだ』というデマが広まり、キリスト教徒が1万人ものユダヤ教徒を虐殺する事件も起きているほどです……。  現在、世界中に拡散されつつあるパニックも本質的には中世ヨーロッパ時代と何ら変わりません」  今は、正しく怖がることが、何よりも求められるということだろう。

WHOの「非常事態宣言」は遅すぎ?

 WHO(世界保健機関)に対しては「非常事態宣言」を出すのが遅すぎたのではないか? といった批判の声もある。1月22・23日に行われた緊急委員会では「世界的な危機とは言いがたく、(緊急事態宣言を出すのは)時期尚早」と結論づけていたが、その後、中国国外にも急速に広がったため、わずか1 週間で方針を転換した格好だ。 新型コロナウイルス<取材・文/週刊SPA!編集部 写真/AFP/アフロ> ※週刊SPA!2月4日発売号より
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週刊SPA!2/11・18合併号(2/4発売)

表紙の人/ 生田斗真

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