更新日:2020年05月19日 10:18
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63万円するブシュロンのリングを身につける理由

39/108 キャトル クラシック リング ラージ(ブシュロン)63万円

MBのヘビーユース108

キャトル クラシック リング ラージ(ブシュロン)63万円

 誰が最初に言いだしたのか、世界三大美女だの世界三大夜景だの「世界三大モノ」は枚挙に暇がありません。世界三大スープはボルシチ、フカヒレスープ、トムヤムクン……かと思いきや、実はフランスのブイヤベースも入れて世界四大ともいわれるらしい。その上、これらの選出を誰がどういう経緯で決めたのか諸説ありはっきりしないという……もはや権威も何もあったもんじゃない。  アクセサリーの世界には「五大宝飾」というものがあります。ショーメ、モーブッサン、ヴァンクリーフ&アーペル、メレリオ・ディ・メレー、ブシュロンの5つ。出所の不明な「三大スープ」と異なり、宝飾品は明確。広大なパリのヴァンドーム広場にお店を構えていた最高級ジュエラーであり、実際にこの5つは合同で活動をすることも多かった。「万人が認める歴史ある老舗ジュエラー」といったところでしょう。 MBのヘビーユース108 ただ、余談ですが、この五大宝飾にも実は「なぜ王様であるカルティエは入ってないんだ?」といった批判も残っています。カルティエは独自性を重んじていて、グループにまとめられるのを嫌ったともいわれていますが、ハッキリとはしません。  私はこうした歴史を特に好みます。ファッションにはどこか軽薄さが目立ちます。見た目の文化だけに「カッコよければいいじゃん?」という感覚が前にきすぎてしまう。だからこそ私は歴史を重んじており、古くからあるオリジナルを知ることを何より大事にしています。特にこうしたアクセサリーなど軽薄なイメージの最たるものでしょう? MBのヘビーユース108「きらびやかであればそれでいい」「ダイヤであれば満足する」、そんな軽薄さが嫌だからこそ私は歴史あるブシュロンのリングを身につけています。ヴァンドーム広場の路面をイメージしたカッティングなどゴールドを複雑な技術で4層に分けているデザイン。そこにはブシュロンの160年の歴史を確かに感じるのです。 「世界三大」といったテキトーな文言がはびこり、インフルエンサーが簡単に服を作れる時代。歴史や文脈が軽んじられる現代だからこそ、蓄積と重みを感じられるものを身につけることが気が利いているのではないかなと思うのです。 【今週の掘り出し物】 MBのヘビーユース108シュプリームのスマートウォレット。パスポートも収納でき、カードもお札も小銭もホテルのルームキーも入れられる。万能すぎませんか? 商品、衣装/すべて私物 撮影/林 紘輝(商品) 岡戸雅樹(人物)
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Xアカウント:@MBKnowerMag

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