新型ヒモ男の恋愛哲学。「奢る男」より「奢られる男」がモテる?
大学在学中から10年間、10人以上の女性の家に居候を続け、浮いた家賃は1000万円超。着ている服から、仕事で使うMacBook Airまで、身の回りのものの大半は女性からのプレゼント品。仕事の年収は100~200万円程度だが、「リクエストに応じて朝昼晩の食事を手作り」「彼女の話すことは常に全肯定で、グチも毎日聞く」などの努力で、付き合う女性からは常に求婚されている状態……。
ヒモを本業として生きるふみくん(29歳)はそんな男で、そのヒモ哲学と生き方は、以前にも紹介した通りだ。
【過去記事】⇒浮いた家賃1000万円。ヒモ歴10年のプロが語る「女性に可愛がられて生きるコツ」
「こんなヤバくてダメな男がいる!」という意図で紹介したものの、「立派な主夫じゃん」「全然ダメ男じゃない!」と称賛の声が集まってしまった。
そこで今回の記事では賛否両論を呼びそうな、ふみくんが語る新世代のヒモならではのモテ理論を紹介。ふみくんいわく、「恋愛では『女性に奢る男』より『女性から奢られる男』のほうがモテることがある」のだという。そのワケとは?
「男は外で働いて稼ぎ、家計を支える」「女性は家庭を守る」という考え方や生き方が長らく一般的だった日本。そのため恋愛期間中も、男側が食事を奢るのは一種のマナーとされ、「高いメシを奢って財力を見せつける=モテる」という考え方を持っている男も多かったはずだ。
だが、不況で男の稼ぎも減っている今、そのような考え方は男の重荷にもなりつつある。そんな新世代のヒモとして生きてきたふみくんは次のように語る。
「女性に奢るのは『男のカッコつけの美学』の一種ですし、財力を見せつけてモテるのも一つの方法だと思います。でも、女性との関係性の序盤で一度奢ってしまうと、『同等かそれ以上のゴハンを奢らなきゃ』というプレッシャーが自分に生まれ、後戻りもできなくなる。奮発してホテルのレストランで食事をした翌週に、『今日のデートは鳥貴族でいい?』とは言えないですよね」
財力に自信がない男は、カッコつけて奢ったりしては立場が苦しくなるばかり……というわけだ。「無理して奢っているのも見抜かれて、そこにキュンとしてくれる女性も中にはいる」とのことだが、ヒモとして生きることに決めたふみくんは、好みの女性が相手でも一切奢らないという。また、「頑張って奢るよりもむしろ奢られて、『僕はあなたより立場が下』と思ってもらえる方が楽なんです」とも話す。
「もちろん『僕はお金がない!』と打ち明けると、その時点で去っていく女性もいますよ。でもそういう女性とは、仮に頑張って付き合えたとしても、自分が疲弊しまくってフラれるだけなんです。一方で、お金がないことに開き直ってる僕を面白がってくれて、そんなダメさを『かわいい』と持ってくれる女性がいたら、付き合うチャンスは大いにあります」
ふみくんは、「『カワイイ』と褒めてくれる女性はその時点で自分に好意を持ってくれている可能性が高く、庇護者になってくれる望みもある」と、ヒモならではの理論を展開する。
「『カワイイ』という言葉はペットや小動物によく使われるように、『か弱い存在に感じる』『寄り添って守ってあげたくなる』というニュアンスもある言葉。そして犬や猫と同様、『カワイイ』と認識された存在は、簡単に相手の懐に入り込むことができるんです」
そうやってカワイイ存在と認識され、奢ってもらうことで男女関係における立場は下になってしまうが、「実はそのほうが恋愛を優位に進められる面もあります」とふみくんは話す。
「人はお金や労力をつぎ込んだものを簡単には手放せないし、執着してしまう。お金をつぎ込むことで、より対象に夢中になってしまうんです。それは投資の心理と一緒だし、熱を上げたキャバクラ嬢やホストにプレゼントを送りまくる人も、課金ビジネスにハマってしまう人も一緒だと思います。
僕も若い頃、好きになりすぎた彼女に捨てられたくないがために、デート中にクレジットカードを作ってペアリングを買った経験があるので、その感覚は実体験として理解しています(笑)。だからこそ人は恋愛でも『奢られる側になったほうが実は有利』というのが僕のヒモ理論です」
そしてふみくんは、今の彼女からも奢られまくっている。
「彼女は長く奢り続けた結果、僕が先日『漫画を描きたいんだけど基礎的な画力に自信がない』と話しただけで、『私がお金を払うから美大に入学しなよ!』とまで提案してくれるようになりました。でも僕は、妻を質屋に通わせてまで飲み歩いた石川啄木ほどは肝が座ってないので、『ヒモが言うのも変な話だけど、お金の使い方を考えた方がいいよ』と全力で拒否をしている状況です」
高いメシを一度奢るともう鳥貴族は許されない
課金ビジネスと同様に「奢った側」に執着が生まれる
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