仕事

長引く休校に、小学校教師たちの悲嘆。別れを惜しむ暇もなく…

3月の登校日、生徒たちは…

 3月の休校期間中、1日だけ登校日が設けられていた。久しぶりに登校してきた児童は「家ですることないよ~、もう飽きたよ~」と言われたそうで、休み時間にはなかなか会えなかった友達といつも以上に楽しそうに過ごしていたそうだ。  また、急ぎ足ではあったが、授業内容を進めた。下校前に3月分の授業内容をまとめたプリントを渡して休校中に家でやるように課題も出して、不足分を補った。  4月に入ると、クラス替えをして顔合わせをする日が1日だけあった。みんな学年がひとつ上がってワクワクしていた。毎年の新学期の様子と変わらない様子だったが、そのなかで変化もある。手洗いを積極的に行っていたことだ。 「子どもなりによくニュースを見たり、親御さんの話を聞いたりしているんだろうと思いました」  学校は翌日から再び空っぽになった。5月から再開し、1日も早く通常の授業を行える日が来ることを期待する一方で、本当に5月から再開できるのか懐疑的なところもある。 「休校は5月6日までと聞いて、本当に5月に再開できるの? と思いました。全国的に感染者数が増加しているし、学校再開がさらに延びるんじゃないかと心配です」  さらに、長期的な休校に伴い、授業カリキュラムについても議論されている。4月の休校宣言発表直後から話し合っているが、まだまだ先が見えない状態だという(4月中旬時点)。  そして教師たちも自宅などで仕事をするテレワークや時短勤務への切り替わりつつある。東京都は9日、都立学校の教職員は在宅勤務に、という方針を固めており、徐々にその流れが押し寄せている。まだ佐倉さんの学校では始まっていないが、近隣県では週に何度か職場に行くなどしているところもあるらしい。  テレワークであれば教師の感染防止につながるが、一方で、データの持ち帰りなどは厳しく制限されているため、学校外でできる仕事は限られてくる。  誰も経験したことのない難局を乗り越えようとする教師たち。突然の休校宣言などに翻弄されつつも、今日も子どもを第一に考えて奮闘しているだろう。普通に勉強をして、給食を一緒に食べて、人との距離を気にせず遊ぶ日々が早く学校に戻って来ることを強く願う。<取材・文/星谷なな>
5歳の頃からサスペンスドラマを嗜むフリーライター。餃子大好き27歳。 たまに写真も撮ります。
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