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中国の「カネと恫喝」体制は、コロナ後の世界で自滅するか?

 新型コロナウイルス感染拡大の裏側で、緊迫度を増す世界情勢。ウイルスの発生とその後の対応をめぐる応酬が、多方面に影響を及ぼしている。

「ウイルス発生源の調査」を求めると、中国から経済報復が…

 トランプ大統領が断交まで匂わせ、ファーウェイに対する輸出禁止措置を発表したアメリカをはじめ、多くの国が、いまだ中国のウイルス対応に不信を抱いている。だが、当の中国は、信頼の回復とは逆に、懸念を抱かせる振る舞いを繰り返す始末だ。
北京

(C)Bjshanshan

  ウイルスに関する独立調査を要求したオーストラリアに対し、中国は5月12日に豪産牛肉の輸入を一部停止。これに先立って行われた、駐オーストラリアの成競業中国大使のインタビュー(「オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー」4月23日)には、こうした“報復”を予告しているかのような発言まであるから驚きだ。  「『中国に対してそこまで友好的でない国に、なぜ行かなければならないのだろう』と人々が思うようになる。観光客が考え直すかもしれないということだ」とか、「もしかしたら、一般市民が『どうしてオーストラリアのワインを飲まなければいけない? オーストラリアの牛肉を食べなければいけない?』と言うかもしれない」と語り、経済的なボイコットをちらつかせていたのである。

中国政府を、冷静に突き放すような論調

 こうして、感染拡大と同時進行で覇権国家・中国の“ホンネ”が明らかになっていくなかで、欧米の論客たちのトーンが、変化してきていることに注目したい。ウイルス発生当初には激しい怒りだったものが、ここへきて冷静に突き放す論調が見受けられるからである。  英中「黄金時代」を掲げたキャメロン内閣。オズボーン財務大臣(当時)の特別顧問だったニール・オブライエン議員は、当時から親中政策には懐疑的だったという。そんな彼は、いまやイギリス政府に対し、中国と安易に手を結ばないよう助言するグループのリーダー的存在となった。  「The MP demanding a new approach to China」(『The Spectator』5月16日 以下筆者訳)のなかで、イギリスのみならず、全世界が中国への監視を強める傾向に拍車がかかるだろうと予測している。  オブライエン議員は、コロナ危機によって中国共産党の政治体制を見てみぬふりはできなくなったと論じ、そのインパクトはチェルノブイリに匹敵すると分析する。これをきっかけに、中国への不信が全世界に波及し、必要不可欠な原材料を自国で調達する流れには、歯止めがかからないだろうと予測している。  そして、仮にトランプが大統領選で敗れたとしても、アメリカ議会の対中強硬姿勢に変化は起こらない。つまり、ヨーロッパや日本、その他の国も、粛々と脱中国を推進するだろうと語っているのである。  ここまで言い切るオブライエン議員の危機感は相当なものだ。なぜなら、<イギリスをはじめとした民主主義の国家にとって、札束で頬を叩くようにして勢力を拡大してきた中国政府の支配から逃れるために残された時間は、ほとんどない。>と考えているからだ。  しかし、だからこそ、<そんな世界にしないためにも、状況を変えるべく行動を起こすべきなのだ。>

「カネと恫喝では、世界のリーダーになれない」

 同様に、中国は世界のリーダーになれないと断じているのが、オランダのジャーナリスト、イアン・ブルマだ。ブルマ氏は、アメリカの衰退を認めつつも、それがすなわち中国の勝利を意味するものではないと論じている。人権と自由の問題が、何一つ解決されていないからだ。  アメリカが国際社会のリーダーであった理由は、曲がりなりにも人権と自由を求める人々に寄り添う政治体制を尊重していたからである。だが、残念ながら、現在の中国には当てはまらない。
香港デモ

2019年、香港での民主化デモ。警察隊の催涙ガスに苦慮して、ガスマスクをつける若者たち(C)Mwphoto55

 <もしも中国が世界のリーダーになりたいのであれば、カネと恫喝以上の価値観を示さなければならない。自由は、いまだに重要な問題だ。1989年、天安門で抗議活動をしていた学生たちが10メートルもの高さの“民主の女神像”を建てたのも、それを求めたからである。こうした国内事情が解決されない限り、世界展開などあり得るはずもないのだ。>(「Confronting China」 『Project Syndicate』5月11日)  中国の故事の通り、隗より始めよ、ということなのだろう。
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責めても無意味、いずれ自壊する…という論も
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