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スナックが競馬ファンの鉄火場と化した日。博打に酔うのか酒に酔うのか…

第二十六夜 病膏肓に入る

 わたしはギャンブルをほとんどやらない。  ポーカーは好きでたまにやるけども、あれはギャンブルのスリルを楽しんでいるというよりも、相手より良いカードが揃ったであろうという優越感とそれを相手に叩きつけるときの嗜虐的な気持ちを楽しんでいるのだと思う(わたしはね)。  それ以外では、昔池袋のパチスロ屋でちょこっとバイトしていた時に、この先なにがどう転んでも一攫千金なんて手にすることがなさそうというか、仮にこの台の上で数十万儲かったとしても決して有意義な使い方をしないであろう貧困スパイラル人生の吹き溜まり感をこれでもかと連日見せつけられたため、遊びでもパチスロをやる気になんてなれなかった。  その代わり、自分にとっての最大のギャンブルはおそらく「恋愛」のそれで、ヤリチンと酒乱とDV男しか存在しない世界に生まれてしまったわたしは、毎度今回はどれに当たったかとハラハラ冷や汗、どれに当たってもスリル満点アドレナリン出まくりの慢性胃炎で、正直このギャンブルが一番危ないと痛感していて、早いところ山奥に庵でも結んで心頭滅却して過ごしたい。  酒場にいると、男たちは本当に賭け事が好きだとつくづく思う。  野球でも賭ける、サッカーでも賭ける、競馬大好き隙間時間はパチンコ、数人集まりゃどんぶり持ち出してチンチロリン。別にたいしたものを賭けているわけじゃない。酒一杯とか、瓶ビール一本とか、数百円~千円ぐらいの世界だが、何かにつけて賭けたがる。  その情熱を少しは一人の女に賭けてみろヤリチン共め、というのはわたしの恨み言だが、とにもかくにも皆こぞってギャンブルに熱中している。そんな彼らに触発されて(話題に参加するためでもあるが)、ついにわたしも最近では少しばかり競馬を嗜むようになってしまった。
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競馬の血統の本が愛読書の男
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