都知事選、名前も知らない候補者たちは何を主張しているのか?
7月5日投開票の東京都知事選挙に向けて激しい選挙戦がスタート。現職の小池一強の様相を呈すなかで、過去最多の22人が出馬を表明。そこで本命候補以外の演説を見て、彼らの主張を聞いてきた。
新型コロナウイルスへの対応、’21年夏に延期された東京五輪・パラリンピック開催の是非などが争点となっている東京都知事選が7月5日の投開票日に向けて、いよいよ佳境を迎えようとしている。
現職・小池百合子候補の圧勝が確実視されるなか、元日弁連会長の宇都宮健児候補や前熊本県副知事の小野泰輔候補、れいわ新選組代表の山本太郎候補らがどれほど票を削るかが焦点といわれている。
一方で都知事選といえば、過去にドクター・中松氏や故・内田裕也氏など無頼系独立候補の出馬も話題を集めたが、今回はどんなニューフェイスが揃ったのか? 記者が熱戦の舞台、首都東京を歩いた。
まずは、スマイル党推薦の介護士・込山洋候補が駅頭に立つ渋谷に向かった。スマイル党といえば、天使のコスプレ姿で政見放送をジャックするなどド派手なパフォーマンスで4度、都知事選を戦った(いずれも落選)マック赤坂氏(現・港区議)を思い浮かべる方も多いだろう。何を隠そう、込山候補はマック氏の付き人をしていた“正統後継者”なのだ。しかし、街頭演説を見る限り、往年のマック氏を彷彿させるようなキレッキレの「スマイル!!」の連呼は鳴りを潜め、笑顔はぎこちなく初々しい印象を受けた。支援者の女性に込山候補の魅力を聞いてみた。
「彼は1年間渋谷・ハチ公前で清掃活動を続けたり、とにかく実直な方。46歳とまだまだ若いので、未来がある有力な候補者だと思う」
続いて、西本誠候補が同じ場所で演説を始めた。自称“スーパークレイジー君”と名乗る当選挙きっての異色な候補者だ。雨が降りしきる中で特攻服を身にまとい複数のダンサーとともに、ダンスパフォーマンスを披露し始めたではないか。これには渋谷の街にいた多くの若者も足を止めていた。演説では「風営法の緩和と待機児童ゼロ」といった施策や「ハロウィンのような選挙にしたい」という抱負を語っていた。演説終了後に、西本候補にコメントを求めた。
「伝えたいメッセージ? とにかく眠っている若者の票を獲得したい」
演説では暴走族の集会を想起させる場面もあったが、記者には彼の誠実さが感じ取れた。また、金髪が印象的な西本候補の支援者に話を聞いた。
「『若者が選挙に行けば日本の政治が変わる』という思いに賛同して、一緒に戦っています」
選挙後半戦、さらなる磨きをかけたパフォーマンスを披露できるのか? 無頼系独立候補としての真価が問われそうだ。
翌日は新宿で街頭演説を行う・国民主権党党首でユーチューバーの平塚正幸候補の元へ。彼はひたすら「新型コロナウイルスはただの風邪!」という主張を繰り返し述べていたが、この日、足を止める人はほぼいなかった印象だ。本人に直撃したところ「コロナは風邪だということを改めて伝えたい。ただ、ネットで妨害行為を受けているのがツラいです……」と話すなど、逆張りの公約を掲げるだけあって厳しい選挙戦を強いられていた。発言が過激ゆえに多くの都民には受け入れてもらえない現実があるようだ。
東京都知事選2020首都決戦・ド本命候補以外の主張
異色の候補者たちが語るそれぞれの思い
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