AV男優になれる資質とは?普通のサラリーマンの運命を変えた現場体験
――プライベートのセックスとAV撮影でのセックスでの違いはなんですか?
蛙野:スピード感じゃないでしょうか。プライベートでの動きの気持ちでやると、映像になったらつまんないんですよ。動きがゆるいというか、遅いというか。撮影では、さらにその上をいかなくてはいけない。これでもかっていうくらい必死に動いてやっとそれで画面映えするんです。
――てことは、トップといわれる男優さんなんて……。
蛙野:トップ男優さんたちはそれ以上に動き回りますよ。動きも音も「バンバンバン!」って、とにかく迫力が違うんですよね。「迫力のあるセックス」なんて、普通の人のセックスでは聞かないじゃないですか(笑)。格闘技に似た感じじゃないですかね。
――それを聞くと、AV男優はプライベートのセックスのテクもすごいと思われがちですが。
蛙野:よく言われますが、それは全然関係ないと思います。体位でいえば、プライベートのセックスって基本的に正常位、バック、騎乗位以上のことまではあまりしないじゃないですか。わざわざ立ちバックでやろうとかしませんよね。AV男優もそのへんは同じですよ。
――逆にAV男優がプライベートのセックスに求めることって何ですか?
蛙野:AVって「いやらしいこと」だけしかしないものなんですね。だから、普通のセックスですることは求められなくて、寂しくなっちゃうんですよ。たとえば手をつなぐとか、太ももを触るとか肩を抱くとか。AV見ている人は、女優の肩抱いているところなんて、早送りするでしょ(笑)。それだったらもっとおっぱいさわれよって。
――いままで共演した中で、実際に「手をつなぎたい」「肩を抱きたい」と思った、プライベートでお付き合いした女優さんもいましたか?
蛙野:それは……。ノーコメントで(笑)。もしかしたらおいおいマンガにするかもしれませんけど。
――職業病的なことはありますか?
蛙野:もともとプライベートでは、フェラだけでイッたことはなかったんです。それは今でも。だけど、女優さんのテクニックもあると思うんですけど、AV撮影だとイケるんですよね。カメラがあるほうがイケる身体になったのかなって(笑)
――7月9日刊行のマンガ『AV男優はじめました』では、ほかにもさまざまなAV業界のウラ話が盛り込まれているんですよね。
蛙野:トップ男優と汁男優とのギャラの違いや、“疑似”についてのカラクリ、知られざる苦労など……。AV男優をやらなければ見ることのできなかった世界を描いています。ぜひよろしくお願いいたします!
【蛙野エレファンテ】
元AV男優。漫画家。汁男優からカラミまで、総数250本以上の幅広い分野のAV作品に出演。現在、新潮社Webサイト「くらげバンチ」にて『AV男優はじめました』連載中。コミックスが絶賛発売中。twitter「@erefante」
取材・文・撮影/櫻井れき
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