腕時計投資家で、洗濯マニアの斉藤由貴生です。
何事にも凝り性な私は、気づいたら洗濯マニアになってしまったのですが、今では状況に応じて2台の洗濯機を使い分けています。使っている洗濯機は、ミーレのドラムとシャープの縦型洗濯機。それらを使った経験をもとに、「縦型、横型どちらを買うのが正解か」ということは、
以前の記事でお伝えしました。
斉藤由貴生
その記事は、それなりに反響があったのですが、想定外だったのは私が思っていたよりも乾燥機を使っている人が少ないということ。ということで、今回は乾燥機について深堀りしてみたいと思います。
日本人が乾燥機を使わない理由を考える
洗濯機の記事を書いた後、日本の洗濯事情をいろいろと調べてみたのですが、その際、乾燥機を使っている人は少数派であるという傾向が見えてきました。
また、Googleストリートビューで、一軒家が並ぶ新興住宅街を見てみたのですが、多くの家で洗濯物が外干しされている様子が見て取れました。例えば、つくば近郊のとある住宅街は、ほぼすべてといって差し支えないほど、2階のベランダで洗濯物が干されていたのです。
4kgタイプの乾燥機の実勢価格は3万円台後半(画像は日立DE-N40WX)
日本人が、あまり乾燥機を使わない生活を送っていると知った私は、「なぜ乾燥機を使わないのか?」その理由をさらに調べてみました。
その結果、「使わない理由」は以下に集約されるという結論に至りました。
乾燥機を使わない理由その1 日光への信頼感
乾燥機を使わない理由その2 日本は軟水だからよく洗えている
乾燥機を使わない理由その3 電気代を抑えたい
これらの理由については、ハッキリ言って「電気代を抑えたい」こと以外に、乾燥機を使わない論理的な理由は、まあないと言えます。
6kgタイプの実勢価格は5万円台中盤といったところ(画像は日立DE-N60WV)
例えば、日光には殺菌効果があるものの、その効果をどれだけ得られるかは環境に左右されます。当然、影になる部分もあるでしょう。特に厚い生地では、中まで紫外線が届かない可能性も十分考えられます。ちなみに、ダニ対策の場合、日光では効きが弱く、高温熱風が最も効くとされています。つまり、自然の力よりも機械に頼ったほうが確実というわけです。
また、軟水についてですが、殺菌効果があるわけではありません。洗濯することで、汚れを浮かせて除去することは可能ですが、菌は残り続ける可能性があるわけです。乾燥機を使わない理由として、日本は軟水だからという意見が意外と多くありましたが、軟水は魔法の水じゃないのです。
ちなみに、日本は全土が軟水というわけではありません。例えば、軽井沢の水質は硬水。私は軽井沢に住んだ経験があり、硬水での生活も経験しています。ただ、洗濯で硬水による違いはあまり感じませんでした。紅茶をいれる際や、手を洗う際はハッキリとした違いを感じましたが、冷たい軽井沢の硬水で洗っても、洗濯物の汚れが残るということはなかったのです。
軟水で洗濯しようが、硬水で洗濯しようが「殺菌」という観点では、お湯洗いや乾燥機がかかせないということに変わりありません。ちなみに、アメリカも軟水地域がそれなりにありますが、お湯による洗濯は当たり前です。
また、電気代を抑えたいという点についてですが、日本人の収入なら、その程度の金額を払えないわけではないでしょう。費用対効果の観点では、電気代がかかったとしても乾燥機はメリットが大きいと思います。
写真はイメージです
日本でも乾燥機使用比率が高いエリアがあると思いますが、おそらくそういった地域は富裕層が集まるエリアでしょう。
例えば高層マンションや、高級住宅街といった場所がそれに該当するでしょうが、そういったエリアは、規約によって外干しが禁止されているわけです。そして、そういった家々の中で活躍しているのがミーレの洗濯乾燥機。つまり日本では、乾燥機はお金持ちのアイテムと言えるわけです。
一方欧米では、乾燥機はお金持ちでない家庭でも当たり前に使われています。アメリカの国民的アニメ『ザ・シンプソンズ』の一家は典型的な一般家庭ですが、ガス乾燥機を当たり前に使用している描写があるのです。例えば、「ホーマーのバート改造計画」(S8E15)の冒頭シーンでは、バート(息子)が家にあるガス乾燥機を使ってジャックポットくじをして破損。ガス会社から修理代900ドル請求されるのですが、その資金を捻出するために「家のお宝」を売りに行くという描写があります。
ガス衣類乾燥機は、本体価格に加えてガス工事が必要となるが、メリットも大きい(画像はリンナイRDT-80)
また、私はアメリカに留学した経験がありますが、現地の学生寮でも乾燥機は当たり前のアイテム。学生の地位は高くありませんが、それでも乾燥機は与えられていたのです。ちなみに、筑波大学の学生寮では、窓からの外干しが一般的でした。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、
「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『
腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『
もう新品は買うな!』がある
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