冷やし中華はシンプルな味と具材が一番!という“こだわり”の意見が多く、禅問答をしているような気になった
「冷やし中華はじめました」の幟を見て、あぁ…夏だなぁ~としみじみ思う方も大勢いるはず。そんな日本の夏の風物詩である冷やし中華に対して、こだわりと一家言ある方はとても多い。そこで今回は冷やし中華に対する熱い思いを調べてみた。
◆王道の味と具材は……
タレの味、マヨネーズ、辛子、そして具材について50人にアンケートを採ってみた。その結果をまずは見ていただこう。
●冷やし中華のタレは何味派?
醤油ダレ派……38人
ゴマダレ派……8人
その他……4人
圧倒的大差で醤油ダレが支持される結果となった。ゴマダレは人気がないことが判明。これは意外な結果ではなかろうか。醤油ダレ派の主な意見としては、「
暑い時にゴマダレは爽快感がない」や「
普通のがイイんですよ、冷やし中華は!」といった意見が多く、酢の利いた爽やかな味わいが冷やし中華の魅力なのだと改めて実感できる結果となった。なかには「
ゴマダレも好きだけど、麺が合わないと不味い! だから知らない店でゴマダレの冷やし中華を頼むのは冒険」というこだわり派の意見も。
では、ゴマダレ派の意見はというと……。「コクがあるのが美味」や「満腹感が得られるから」といった意見が目立った。また、その他の人はどんな味が好みなのかを聞いてみると、冷やし担々麺やドレッシングをかけたサラダ麺、レモン醤油などが挙げられた。
●マヨネーズは必要?
必要……8人
いらない……42人
名古屋地方では必須とされるマヨネーズだが、全国区の支持は得られないようで、「
名古屋出身者からすればマヨネーズはあって当たり前」という意見は圧倒的少数で、必要という意見でも「体調が悪いときはいらない」や「あれば使う」という消極的な意見ばかり。
「なんで冷やし中華にマヨネーズを……」や「気持ち悪いよ……」というゲテモノ的扱いな意見が大多数を占めた。ちなみにカラシの必要性に関しては、必要派が29人に対して不必要派が21人と拮抗する結果になった。
●このトッピングだけはヤメてくれ!(複数回答)
フルーツ系全般……27人
チャーシュー……15人
煮込んだ椎茸……12人
キクラゲ……10人
トマト……9人
紅ショウガ……7人
その他の少数意見……もやし、クラゲ、かまぼこの千切り、カニかま
王道とされる具材は千切りのキュウリとハムに錦糸玉子とされ、それ以外の具材は店の裁量によるところが大きい。この具材に関しては皆々様、一家言あるようでこだわりの意見が多く聞かれた。最も多かった意見は「
フルーツを入れるな!」というもので、サクランボやミカン、スイカに対する拒否反応は多数。「タレとフルーツの味は合わない」や「水っぽくなる」という意見が大多数で、「食べない人は多いと思う。そうすると使い回されてるんじゃ……と思ってしまう」といった意見も……。
次いで多かったのが意外にもチャーシュー。「
冷やし中華はあの安っぽいハムがイイ!」や「スープがないからゴワゴワしたチャーシューの食感がちょっと……」という意見が目立った。調和が大切ということか。
椎茸やキクラゲは「食感と味が嫌い」という意見が目立ち、トマトはフルーツ同様に「水っぽくなるから」。紅ショウガに至っては「彩りとしてはアリだけど食べん!」といった意見も。
このように、冷やし中華に対しては独自のこだわりを持っていることがよくわかる。そして今回、最もよく聞かれた意見はというと……
「
冷やし中華はシンプルなものが一番美味い!」
というものだった。『おうちラーメン かんたんレシピ30』の著者であるラーメンライターのはんつ遠藤氏に聞いた。
「以前、某ホテルの高級中華料理店で
アワビやフカヒレ、金華ハムなど高級食材のオールスター勢揃い的な一杯3万円という冷やし中華を食べたことがあるんです。これがある意味すごかった! 確かに美味しいとは思うんですが、一口あたりの単価を考えると1000円を越えるわけです。そうなると、もう頭
の中がパニックになって、味を忠実に評価できないんですね(笑)。僕は具材に関してはとくにこだわりはないんですが、死ぬ前に食べる最後の一杯はシンプルな冷やし中華がイイですね」
シンプル・イズ・ザ・ベスト!を改めて考えさせてくれるのが、冷やし中華という食べ物なのかもしれない。
文/テポドン