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バンドマンがコロナのおかげで脱貧乏。5LDKの一軒家に仲間と引っ越し

―[コロナ禍と人生]―
 新型コロナウイルスの流行により仕事や住居の変化、起業・学業・結婚の中断、中には家族の死など人生計画を狂わされてしまった人々は数多い。彼らはその後、どうなったのか? 今後もコロナ禍収束の見通しが立たない中、その生活ぶりと価値観の変遷に密着した。
コロナ禍と人生

※写真はイメージです

コロナ禍でも必死にたくましく生きる人々

 コロナ禍のおかげで貧乏生活から脱出できたという変わったケースも。建設業で働きながらバンド活動を続ける秋田信雄さん(仮名・32歳)。 「3月頃からライブハウスが営業を自粛して、国内国外ともに全ツアーが中止になったおかげで音楽活動への出費がゼロに。でも建設の現場はほとんど止まらなかったので時間ができた分だけ出勤を増やしたら、4か月で50万円くらいお金が浮きました」  さらに、コロナの影響による銅の高騰で恩恵も受けた。 「いつもはビルの解体現場で出た廃材をまとめて安く売りますが、それまで1㎏単位30円程度だった銅の買い取り価格が40円に。それで銅だけ選り分けて売りに行ったら1現場分だけで10万円近い小遣いになりました」  そして2Kのアパート住まいだった秋田さんは3月に賃貸ながら2階建て5LDK駐車場つきの一軒家に引っ越し。バンド仲間との共同生活で、書斎を改造して音楽室まで作った。音楽機材や一眼レフカメラも買った。  変化が訪れたのは秋田さんだけではない。コロナで職を失った音楽仲間に自分が働く建設会社を紹介したところ、今では皆「こっちのほうがカネになる」と生き生きしているとか。ただ唯一、憂慮しているのは「コロナ禍でやたら政治を語るロッカーが増えた」点だという。 「ライブがなくて暇だからSNSで影響されて読みかじりの知識で『もっと政治に興味を持て』と押しつけてくる」  以前からこうした傾向はあったが、コロナ禍によりさらに強化されているという。 「ライブの3分の1を演奏ではなく安倍政権批判や『デモに行こう!』みたいなトークに費やしたり、パンクバンドだったのに政治的な歌詞を曲にうまく乗せられずヒップホップに転向してしまったり。こういう類いは、コロナ収束後にライブが再開されても客が戻ってこないと思います」  コロナと政治の混乱は、音楽シーンも混乱させているらしい。
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