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「風俗勤務のほうがマシ」地下アイドルがコロナ禍で気づいたこと

―[コロナ禍と人生]―
 新型コロナウイルスの流行により仕事や住居の変化、起業・学業・結婚の中断、中には家族の死など人生計画を狂わされてしまった人々は数多い。彼らはその後、どうなったのか? 今後もコロナ禍収束の見通しが立たない中、その生活ぶりと価値観の変遷に密着した。
コロナ禍と人生 地下アイドル

※写真はイメージです

コロナ禍で地下アイドル業界が荒廃。「風俗勤務のほうがマシ」

▼地下アイドル⇒風俗店勤務/佐野ゆりかさん(仮名・31歳)  コロナ禍の打撃は、地下アイドル界にも及んでいる。活動歴3年、「この界隈では長いほう」と言う佐野ゆりかさん(仮名・31歳)も渦中の一人だ。コロナ前まではコンスタントにライブがあったが売り上げはほぼ運営に持っていかれるだけでなく、手取りの月給からスタジオ代やレッスン費用などを負担させられていた。  月収は10万円台だったが、それでも生活が成り立っていたのは、ファンがライブのたびに持ち込んでくれる差し入れのおかげ。極貧生活がネタにもなっていたため、「支援物資」「救援物資」は尽きなかった。 「生活はコロナ禍で破綻です。いきなり月給が打ち切られました。慌ててある程度いたファンを相手に、投げ銭期待の配信を始めてみたんですが、数回やって収入が500円にも満たないという……。自分にファンはいないんだということを痛感しました。実家とも絶縁状態なのでお金も借りられないし、今さら普通に働けもしない。  家にあるものを売ってその日食べるものをなんとかしても、家賃と光熱費が払えない。ストレス性の蕁麻疹や難聴が出始めても保険証がないので病院にすら行けない。こんな地獄の日々を他のメンバーがどう生き抜いているのか聞いてみると、風俗勤務でした」  そして彼女自身も風俗店勤務を開始した。とはいえ、コロナ禍で風俗業界も閑古鳥が鳴く。月収は20万円程度。  風俗としては微妙な額だが「食費をタカらなくて良くなったのと、稼いだ分が搾取されないので精神的には余裕ができました。出勤を増やさないと稼げないので肉体的にはしんどいですけどね」とのこと。  最近の一番の贅沢は、ラーメン二郎ですべてのトッピングをつけたことと、動画サービスに課金できるようになったことだという。もしライブ活動の自粛が解かれたら、戻りたいか? という問いについては「即答できない」という。 「だって、これまで通りの規模でイベントを再開するって言うんです。私たちへの配慮は一切なく、検温と消毒があるから大丈夫と」  地下アイドルなりにプライドを持って活動していたというが、「もう風俗でいいかなと思います」と投げやりに語る佐野さんだった。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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