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お祭り、花火大会の中止で路頭に迷う露天商。無店舗業者には補助金も出ず…

 今年は新型コロナウイルスの影響でお祭りや花火大会が軒並み中止となった。屋台で食べ歩くことを楽しみにしていた人も多いはずだが、東京都在住の露天商・玉井信雄さん(仮名・60代)が、沈痛な面持ちでこう話す。 「来年は店も出せません。おそらくこのままでは倒産、仲間もおんなじですよ。皆さんにとっては、お祭りや花火大会が無くなって残念……で済むんでしょうが。来年のイベントから露店が消えるんです。国や自治体は、それでもいいとおっしゃいますか?」

お祭りや花火大会の中止で苦境に立つ露天商

屋台

※写真はイメージです(以下同)

 玉井さんは、お祭りなどのイベントに出ている、たこ焼きやわたあめ、お面やおもちゃなどの露店出店を生業とし、その道40年のベテランである。  しかしコロナ禍の今夏、玉井さんはただの一回も露店に立つことはなかった。 「花見のシーズンには、都外にも出張っていたけど、まずそれが中止になった。梅雨の時期にも、紫陽花がきれない名所に出向いて店を出したが、それもなし。夏祭りも花火大会も盆踊りも全てない。収入の全てを奪われたような格好ですよ」(玉井さん)  全国の花火師たちが、花火大会の中止が相次ぎ困っている、というようなニュースも見たが、露店業者も同様で食い扶持を一気に奪われたのだという。  持続化給付金や休業補償金の手続きも行なったが、役所からは「店舗を持たない露店業者への支払いは難しい」などと言われスムーズに事が動かず、今なお手元に現金は届いていない。  知り合いのツテを辿り、警備員のアルバイトなどをしてなんとか食いつなぐが、露店を再開できる見込みが日に日に薄れ、生きる自信すら削りとられる日々を過ごしているという。
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「支払い」が重くのしかかる
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