コロナで年収マイナス65%…除雪作業員のバイトで一時しのぎする41歳男性
暖冬続きだった近年では珍しく大雪のシーズンとなった2020~2021年の冬。
「添乗員の仕事の年収は、一昨年が400万円弱だったのに対し、去年は140万円程度。完全に収入を絶たれた状態だったので、いつもの年より除雪作業員を多く募集していて本当に助かりました。この冬、大雪の被害を受けた方は多かったかもしれませんが、私にとってはまさに恵みの雪でした」
そう語るのは、除雪作業員のアルバイトをしている富田英二さん(仮名・41歳)。旅行会社勤務を経てフリーの旅行添乗員として働いていたが、コロナの影響でツアーはすべてキャンセル。それでも国内旅行の担当だったので秋には少し添乗員の仕事も入ったが、冬場に入ってGo Toトラベルが中断。再び仕事がなくなってしまった。
「昨年1年間で仕事があったのは4か月半だけ。それも秋の2か月はツアーが再開したといっても添乗員の仕事が例年の3分の1しかありませんでした。今は旅行会社の社員ではないので補償なども当然なく、添乗員をやった分しかお金はもらえません。
実際、同業者の知り合いには廃業した者もいますし、新しい仕事が決まらずに住宅ローンの支払いがキツくなってマイホームを手放した人もいました。私はまだ独り身だから我慢できていますが、家族がいたら添乗員はとっくに諦めていたでしょうね」
だが、離婚した妻との間に子供がおり、5万円の養育費は今も毎月払い続けている。向こうもコロナの影響で添乗員の仕事がないことはニュースなどで知っており、減額や振り込みの一時中断を申し出てくれたが断ったという。
「気遣ってくれたのはうれしいですけど、これは娘のためであると同時に自分のためでもあるんです。養育費があるから仕事をしようと思うし、頑張ることだってできる。でも、自分の努力では如何ともしがたい部分で仕事がなくなってしまった。別れた妻には意地を張っていましたが本当は辛かった。とりあえず、去年1年我慢すればなんとなかなると思って耐えてきましたが、感染はさらに拡大して事態が悪化するだけでした」
それまでも単発の日雇いバイトをこなしていたが少ない募集に希望者が殺到したこともあり、毎日働くことができなかったそうだ。このままでは年が明けても十分な稼ぎを得ることができず、貯金が底を尽きるのも時間の問題。そうなれば養育費どころではなくなる。
除雪作業員をはじめ、除雪車や雪の運搬用トラックの運転手といった求人も例年以上に募集されていたが、そのおかげで食いつなぐことができた者もいる。
年収マイナス65%の大幅ダウンで廃業の危機
毎月5万円の養育費を支払う
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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