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リオ金のタカマツ、14年目のペア解消。“余りもの”コンビの絆と素顔

リオ金のタカマツペア

「“余りもの”だった私たちが、ここまで……」  2016年のリオオリンピックで、日本バドミントン史上初となるオリンピック金メダルを獲得したタカマツペアの高橋礼華(30歳)は、自分たちが成し遂げた偉業を今一度かみしめるように、声を震わせた。パートナーの松友美佐紀(28歳)も、「先輩とじゃなければできなかったこと」と涙で言葉が止まる。
タカマツペア1

引退を表明した、タカマツペアの高橋礼華(手前)。パートナーの松友美佐紀(28歳)は現役を続行、ミックスダブルスに活躍の場を移す

 8月18日、高橋・松友の二人はオンライン記者会見で、高橋の現役引退とペア解消を発表。「本来なら皆さんの前で試合をして引退したかったけれど、こうした状況なので仕方ないこと」とこぼしつつ、今年3月にペア最後の戦いになると覚悟した全英オープン準々決勝で、世界ランキング1位の中国ペアに勝利をあげて「悔いなくやりきった」と晴れやかに報告した。なお、松友は今後ミックスダブルスに専念する。  聖ウルスラ学院英智高校時代にチームメイトとなった二人を、田所光男監督(当時)が「“余りもの”だから組ませた」というのは有名な話だが、二人は「おかげで今の私たちがいる」と声を揃える。以来、13年間ペアを組んでダブルスを戦ってきた。互いに「長年ずっと同じ目標と強い気持ちを持って頑張ることができた」と不可侵の絆をのぞかせる。  松友は、「先輩には感謝の気持ちという言葉では足りないぐらい……本当に感謝しています」と語り、二人ともが、互いに姉妹のようでありながら、ペアとしては唯一無二になれたことを、言葉には言い表せない関係と誇らしげに笑った。

ロンドン銀の先輩、藤井瑞希が明かす素顔

 言葉には言い表せない関係とはどんな関係なのか。フジカキペアとして、2012年ロンドン五輪で銀メダルを獲得した藤井瑞希さんに話を伺うと、「彼女たちの関係を例えるのなら、プロ意識の強い、お笑い芸人コンビのようなイメージでしょうか。職人気質でお互いの仕事を信頼し合っているような。だから、いざ仕事、つまりバドミントンとなると『この人はやってくれる』という互いへの強い安心感を持って臨むことができる、そんな関係性と思います」と説明してくれた。 タカマツペア2 現役時代は代表合宿にも一緒に参加したが「タカマツペアは2人ともバドミントンに対して、とにかく真面目でストイック。合宿でも、私たちフジカキが練習でヘトヘトになった後に、さらにコーチとみっちり練習をしていたり、研究していたり。それに何より、(金メダルを獲得した)リオから帰ってきても、休むことなく、すぐに国際大会やA代表の合宿にも参加しつづけた。そんな選手は前代未聞でした。ずっとトップ選手でいられた理由の一つと思います」と証言する。
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メダリストとしての重圧も
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