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6万円のウールシャツが凄い。鳥肌が立つ「既製服の究極」

61/108 オープンカラーウールシャツ(OVERCOAT)6万2500円

MBのヘビーユース108

オープンカラーウールシャツ(OVERCOAT)6万2500円

OVERCOAT」をご存じでしょうか。日本人デザイナーの大丸隆平さんが手がけるブランドで、ニューヨークを中心に世界的に評価されています。もともと大丸さんは「コムデギャルソン」のパタンナーを長年務めた伝説的な職人。パタンナーとはデザイナーが作るデザイン画を立体に起こす陰の立役者です。  それだけに表に名前はなかなか出てこないのですが、大丸さんは皆さんがご存じの世界的な高級ブランドなどを多く手がけています。大丸さんがいなければ成り立たないブランドも多数存在するほどの実力者なのです。ヨーロッパの文化である洋服を支えている職人が日本人ってなんか嬉しいですよね。 MBのヘビーユース108 大丸さんの考え方は「限りなくオーダーメイドに近い既製品を作る」というもの。私たちが着ている洋服はSMLの3サイズ、つまり日本人男性全員をこの3サイズで分類するという極めて乱暴な考え方で作られています。  当たり前ですが、わずか3サイズで分類できるほど体形は単純ではありません。厳密に言えば、おそらくSMLの3サイズでは一人たりとも最適なシルエットを出せていないのです。  もともと洋服はオーダーメイドで作るものでした。「オートクチュール」という高級注文服がヨーロッパにはありますが、まさにこれは顧客の体に合わせて一点ずつ作ります。この方法ならば最適なサイズ、デザイナーが理想とする形をその人に合わせて表現できるわけです。  しかし、コストの問題から現代ではSMLの3サイズで展開し、「あとは着こなしでなんとかしてくれ」としているわけですが、大丸さんはここに挑戦しています。

究極の既製服

「もし肩幅が余っても生地が後ろに流れてくれるように」とサイズが合わないことを前提に服の形を作っているのがOVERCOATです。  実際に着用してみると確かに異常なくらい腕や肩にフィットする。まるでオーダーメイドで作ったかのような美しい形に見える「既製服の究極」がこのブランドの服です。  値段はそこそこしますが、羽織れば「高い」とはとても言えない強烈な説得力があります。取扱店を見かけたら、ぜひ試着してみてください。鳥肌が立つ服ってあるんですよ。 商品、衣装/すべて私物 撮影/林 紘輝(商品) 岡戸雅樹(人物)
MB
ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag

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