相模原市長の“暴力団密接交際者”献金問題。忘年会リストに記載された「政治家Xの名前」を独自入手
相模原市長が暴力団密接交際者Aから700万円近くのお金を受け取っていた――そんな黒いカネをめぐる騒動の渦中にいる人物が毎年開催していた忘年会の席次表を独自入手。そこにはAに連なる有力国会議員の名前があった。
神奈川県相模原市が黒いカネと交際疑惑に揺れている。本村賢太郎市長が暴力団密接交際者A氏から多額の政治献金を受けていた疑惑だ。『週刊新潮』が7月末に報じたことで、相模原市議会は紛糾。市長が受け取った682万4000円を返金する事態に追い込まれたのだ。
問題のA氏はどんな人物なのか? 福岡県の地元紙記者が話す。
「福岡県久留米市にある滉王という土木工事会社の会長です。その滉王は10年前まで3億円程度の売り上げでしたが、近年では20億円を超える規模にまで急成長していた。新興勢力ながら、主にJA(農協)関連の工事を請け負い、無理やり一次下請けに入って上前をハネるようなやり方で規模を拡大していったのです。
そのため、Aは地元の名士である古賀誠・元自民党幹事長を彷彿させる豪腕という人もいるほどの有名人。強引なやり口や脅し文句で、逮捕の噂が絶えない人物でもありました。
結局、今年6月に福岡県警が『暴力団構成員と密接な交際がある』と認め、自治体に通報したことで、滉王および関連企業は公共工事の入札資格を停止され、その影響からか8月には滉王が破産申請したことが明らかになりました」
一方、本村氏は民主党、希望の党などを渡り歩くなかで神奈川県議を2期経験し、衆院議員に3回当選した叩き上げだ。「足を使った選挙で地元の支持者を獲得してきた苦労人。居酒屋を営んでいた母親に育てられたという市民感覚の持ち主で、人望の厚い人として知られる」(立憲民主党議員)という。その議員時代の地盤であった相模原市長選に当選したのは’19年4月のこと。ただし、A氏とは政治家を志す前からの付き合いだった。
「叔父の本村和喜氏が福岡選出の参院議員時代に秘書を務めた関係で、叔父の支援者だったAを紹介された。それから30年近くの付き合いです」(相模原市議会議員)
その本村氏はA氏について「週刊新潮の取材を受けて、初めて暴力団密接交際者だと知った」と市議会で弁明。受け取ったカネの返納を表明したが、いまだ騒動が鎮静化する兆しは見えない。新たな疑惑が浮上してきたためだ。
「本村氏が就任後、不可解な事業見直しが相次いだのです。相模原市では、リニア駅開発、米軍基地返還、そして相模大野駅周辺のA&A(麻溝台・新磯野地区整備推進事業)に伴う大規模工事を控えています。
ところが、昨年の6月に産廃問題が発覚し、急遽A&A事業の見直しが発表された。予算も当初の60億円から100億円に増額され、今年の頭には『300億円必要』とことづてがあった。
以降、『懇意の業者を使うために予算増額の着工延期を決めたのでは』という疑惑の声も上がり、市職員のモチベーションは低下している。工事中断で来年度の予算すら組めない状況で、長期的なマスタープランも立てられない。そんな自治体は全国の政令指定都市でも、相模原市だけです」
実は、本村氏には虚偽答弁の疑惑も浮上している。市議会では「年に数回程度、食事をともにすることがございましたが、費用は折半してございました」と答弁しているが、本村氏と20年来の付き合いがある後援者は「費用の折半」を否定するのだ。
「私は本村氏が衆院議員時代からA氏との会食の場に何度も同席させてもらいましたが、支払いはすべてA氏が済ませていました。A氏から『本村を市長にしたいのでよろしくお願いします』と言われ、相模原財界の関係者を何人も本村氏に繋いだりもしました。
その後、A氏はほぼ受注実績がないのに、県立体育センターの大型改修工事を一次下請けとして受注するなど、神奈川に食い込んでいった。本村氏を通じて、神奈川に足がかりを築いたのだと見ています」(本村氏は「どなたが証言されたのか存じ上げませんが、事実と異なります」と回答)
相模原市長の黒い交際疑惑!忘年会リストに記載された[政治家Xの名前]
市議会で弁明、カネの返納を表明も新たな疑惑が浮上
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