仕事

「部下にこそ敬語を!」会社の役職は身分の上下ではない

―[働き方革命]―
 サラリーマンの働き方が大きく変わった。新型コロナウイルスが全世界を覆い尽くしてから半年以上がたち、リモートワークが普及した一方で、働き方を自分の裁量に任されるようになった部分も大きく、職場は依然として大混乱をきたしている。私たちは今、どう働くべきか? 職場革命を提言するアイデミー取締役COO・河野英太郎氏に取材した。

部下にこそ敬語を!「組織のフラット化」がウィズコロナの活路

河野英太郎

河野英太郎氏

 コロナ後の新たな働き方を提示した著書『どうして僕たちは、あんな働き方をしていたんだろう?』(ダイヤモンド社)が話題になっているのが、スタートアップ企業アイデミーの取締役COO・河野英太郎氏。電通、アクセンチュア、IBMなどを渡り歩いた同氏が実践する新しい働き方の最大のポイントは、「フラット化」だ。 「肝に銘じておくべきは、リアルなコミュニケーションとオンラインコミュニケーションは別ものだということ。オンラインではニュアンスや雰囲気といった非言語要素が伝わりにくく、誤解を生じやすい。  ですから、オンラインで仕事をする以上、その空間でのコミュニケーションを円滑にするには『組織のフラット化』が必須です。  役職の高い人は『自分のほうが部下よりも偉い』と思いがちですが、役職はあくまで役割。管理職とは、『部下を管理する役割』であり、身分の上下はないのだと自覚しなくてはなりません」  その上で、まず河野氏が意識するのが「敬語」の使用だ。 「上司が高圧的な態度を取れば、部下が萎縮してコミュニケーションに齟齬が出る。リモート下では、これまで以上に部下が上司に相談しやすい環境を整える必要があります。ですから、信頼関係が生まれるまでは、部下や年下であっても敬語を使い、『さん』づけすることを徹底します」

命令・服従の関係に頼れば、リモート下で絶対に人は育たない

 用事を頼むときは、「これやっといて」といった上からの指示ではなく、「お願いできますか?」と依頼する形を心がけているという。 「『命令』してしまうと、部下は服従するしかありません。しかし、『依頼』の形になれば、部下側も『こうしたらどうか?』という意思を持った発案ができ、新しいアイデアも生まれやすくなります。  命令・服従の関係に頼れば、リモート下で絶対に人は育たない。部下の意見を吸い上げられるオープンな環境をつくることが大切です」
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コロナ氷河期

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