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三世俳優・寛一郎、芝居は「毎回難しい」 父・佐藤浩市は一番好きで一番嫌いな存在

“果たして僕の力は彼(佐藤浩市)と対峙できるくらいのレベルに達しているのか?”

映画『泣く子はいねぇが』出演する寛一郎 今年7月に公開された映画『一度も撃ってません』での親子共演も話題になった。当初は親子共演に乗り気ではなかったという。「僕にとって彼(佐藤浩市)は、一番好きで一番嫌いな存在でもあるわけです。そんな感情の中で対峙する。果たして僕の力は彼と対峙できるくらいのレベルに達しているのか? と。僕としては自分の未熟さと経験値の圧倒的な足りなさを自覚しているので」と葛藤があった。  しかし監督は阪本順治。映画好きな寛一郎にはたまらない布陣だ。「正直ガッチガチに緊張しました。相手が彼ということもあるし、大好きな阪本監督作でもある。しかも石橋蓮司さん、桃井かおりさん、岸部一徳さんと出演者も豪華。もはや“映画で観たことのある人たちだ~!”と一映画好きの顔になっていました」と照れる。  周囲も注目する“親子共演”。しかし潜り抜けてみると、特別な感慨はさほどなかったようだ。「親子共演といっても短いシーンでした。でも初めて芝居を交わすという意味では、ちょうど良かったのかもしれません。やるならば一発でいいものを入れたいという意気込みがあったので、正直覚えていないんです。結構一生懸命やりました」と持てる力を振り絞った。  記念すべき初共演作の完成後には「彼とは作品の話はしました。でも共演についての話はしていません。それはお互いの俳優としての美学かなと…。でも結果的に良かったです。次回また一緒にやることになったら、思っていたよりもラフにできそうで。ガチガチにはきっとならないと思います」と再び受けて立つ構えだ。

最新出演作『泣く子はいねぇが』の見所

(c) 2020「泣く子はいねぇが」製作委員会

(c) 2020「泣く子はいねぇが」製作委員会

映画『泣く子はいねぇが』場面カット

(c) 2020「泣く子はいねぇが」製作委員会

 最新出演作『泣く子はいねぇが』は海外でも高い評価を得ている。「素晴らしい脚本が映像になってより素晴らしくなった。太賀君と吉岡里帆さんのラストシーンなんて最高。一つ一つのピースが輝いて見える。胸を張って自信作と言えます」と嬉しそう。それでは寛一郎は自分というピースをどう見たか? 「結果的に観ていただいた方から“良かったよ”と言われるのでまずは一安心。でも自分の芝居のデキには半信半疑。“本当にこれでいいの?”という気持ちが拭えません。芝居って難しい。これっていつ納得できるんでしょう?」。  答えにたどりつかないから歩み続ける。その足跡の積み重ねが自信となる。
<取材・構成/石井隼人>
1984年生まれ、映画好きフリーライター!インタビュー、取材、レビュー、オフィシャルカメラマン、オフィシャルライター
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タイトル:『泣く子はいねぇが』
公開日:11 月20 日(金) より新宿ピカデリー他全国ロードショー

仲野太賀 吉岡里帆
寛 一 郎 山中 崇 田村健太郎 古川琴音 松浦祐也 師岡広明 高橋周平 板橋駿谷 猪股俊明
余 貴美子 柳葉敏郎
監督・脚本・編集:佐藤快磨
主題歌:折坂悠太「春」(Less+ Project.)
企画:是枝裕和
エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ
(c) 2020「泣く子はいねぇが」製作委員会
HP:https://nakukohainega.com/

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