ライフ

ローン地獄に陥った人々の悲痛な叫び「3万円だけのつもりが300万円に」

最終手段”自己破産”への長き道

 返済能力を失ったローン破綻者が取れる最終手段は自己破産だ。太田祐樹さん(仮名・29歳)も昨年の3月に自己破産申請を行ったひとりだ。生活費の赤字をカードローンで補し、残債を“見て見ぬふり”する生活を8年続けた結果、負債総額は計7社、400万円に。月々の返済額が月収を上回るまでになり、自己破産を決意した。 「自治体主催の多重債務相談会に行き、すぐに弁護士から自己破産を勧められました。とはいえすぐに裁判所に自己破産申請ができるわけではなく、弁護士からは初めて借金した日からの借金履歴や理由を数日かけて事細かにヒアリングされたほか、返済能力がないことを示すために、朝昼晩の食費から電車賃まで家計簿に細かく書いて提出。  自分がいつ、なんのために借金したかなんて細かく覚えていなかったから、弁護士からのヒアリングは結構しんどかった。この頃、友人に借りていた3万円を返したことを家計簿に書いたら、『返済能力があるとみなされるから、申請期間は余計なことはするな』と弁護士に怒られたことをよく覚えています」
借金

申請時に借金の詳細を事細かに記入する太田さん。「正直、自分がいくら借金を背負っているのかすら把握できていませんでした」

申請にかかった弁護士費用は計25万円

 そうした申請の準備に要した期間は3か月。自己破産すると、5~10年はクレジットカードをつくることも借り入れをすることも、ローンを組むこともできなくなる。 「カードなんて限度額に達していてとっくに使えなかったので、大したことないだろうと。むしろ借金ができないから、まともに生きるしかないですよね」  申請にかかった弁護士費用は計25万円。今後は月5000円を分割返済することになるという。今度こそ、見て見ぬふりをせず完済してほしいものだ……。 【「借金道」管理人・シロウ氏】 借金情報サイト「借金道」を長く運営。これまで1000人以上の相談を受けてきた。元消費者金融社員でもあり借金のプロとしてメディア出演も多数こなす <取材・文/週刊SPA!編集部>
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ