仕事

月収が半分以下になった北新地のホステス。プライドを捨てたら状況が好転?

―[キャバ嬢に訊け]―
 大阪は、新型コロナウイルス対策として大阪市北区と中央区の一部飲食店の時短営業・休業要請を一定期間延長する方向を示した。「Go Toトラベル」の全国停止もあり、年内の大阪府の経済再開は絶望的ともいえる状態だ。
レイカさん

レイカさん

 以前、府内最大の歓楽街である北新地を取材したとき、現地で働くホステスからは悲痛な声が上がっていた。そんな中、年越しに向けて生き残る努力をしているのは、北新地のクラブに勤務するレイカさん(仮名・29歳)だ。

このままでは年が越せない!

「コロナ前は、北新地のクラブに週5出勤して月収は35万円程度でした。それが、6月に休業再開後すると出勤は週2に減らされ、月収15万円ほどまで落ち込みました。それでも、持続化給付金と貯金が多少あったので節約をしながらどうにかやり過ごしてきました。秋には新地のお客さんも少しずつ戻ってきて、このまま年末まで忙しくなると思っていた矢先に第3波が来て12月前にまさかの時短要請……。ママが気遣ってくれてシフトはこれ以上減らされずに済みましたが、2時間しか働けないので以前よりも収入は減りましたね」  このままでは年が越せない……。そう思っていたとき、レイカさんの前に救世主が現れた。

北新地の半分以下の時給でも…

「毎日、家にいてもヒマなので知り合いのママがやっているスナックに飲みにいったんです。そこは大阪でも下町と呼ばれるエリア。繁華街というわけではないけど、スナックは新地ほどヒマな感じはありませんでした。そこで、ママに店が時短になったことを話したら『じゃあ、年内だけでもうちで働いたら?』と言われたんです。店は結構広いのに女の子はママ入れて2、3人しかいないというので、密にはならなそうだったので安心かと思いました。時給は1500円と新地の半分以下でしたが、そんなこと言ってられない。藁にもすがる思いでお願いしました」
スナック

写真はイメージです

 スナックで働くのは10代の頃に地元で働いた以来だったレイカさん。その頃は客層が苦手ですぐにやめてしまったというが、ふたたびスナックで働き始めたところ全く印象が変わったという。 「見た目が派手なのでよく誤解されるんですが、実はオラオラ系やマイルドヤンキーが苦手なんです。地元のスナックはそういうお客さんばかりだったので、客同士のケンカとかもあってスナック=客がややこしいというイメージがついていたんです。  でも、今のスナックは周辺に中小企業の町工場が多いのであまり若い人が来ないんです。来るのは町工場の社長さんとか地元のおじいちゃんばかりで、店のキャストや他客に絡むこともなく大人しく飲んでいます。それにクラブのときは接待ばかりだったので、特に会話もせず頷いているだけだったのですが、スナックは女の子の話を聞きたいという人が多いです。盛り上げるのは得意なので、かなり働きやすいですね」
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高級クラブより天職かも
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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