個室式「ソロサウナ」が日本に初登場。1時間3000円台の価値があるか行ってみた
年々加熱し続けるサウナ人気。しかし、コロナ禍においては「密になりやすい」と敬遠する人も少なくない。そんななか、サウナ室から冷水浴、さらにはロウリュまですべてひとりっきりで楽しめる“ソロサウナ”をウリにした店が昨年12月に東京・神楽坂でオープン。ウィズコロナ時代のサウナのニューノーマルとなりうるのか? サウナ通いが生きがいのもち肌おっさん記者が早速、体験してみた。
最低、週に3~4回はサウナに通う記者がある日ネットを見ていると、気になる記事を発見。それは「日本初、完全個室のフィンランド式サウナ『ソロサウナtune』が東京・神楽坂にオープン!」というもの。
読むと、プライベート空間ゆえロウリュもやり放題、寝転がったりと自分の好きなスタイルでサウナを楽しめるとか。たしかにサウナ最大の弱点は、このコロナ禍において「密」であることだ。これが怖くてサウナから足が遠のいていた人からすれば、まさに夢のようなサウナだろう。
しかし、気になる点がふたつある。
まず、ここ「ソロサウナtune」には水風呂がないこと。記者は水風呂の代わりに冷水シャワーが設置されている某サウナ店に行ったことがあるが、やはり物足りなさが否めなかったことが強く印象に残っている。サウナと水風呂。両者はサウナーにとって必要不可欠で切っても切り離せないものだ。水風呂のためのサウナであるし、サウナのための水風呂でもある。つまり水風呂がないなんて、あり得ないのだ。
次は、利用時間が1時間で3800円(21年1月末までは500円オフ)かかるということ。1時間? 短くね? 記者は普段4~5セットのサウナを楽しむのだが、1時間だと着替えや何だの時間を差し引いても3セットが限界だ。それでいて3800円とは……やっぱりちょっと高くないか!? これはライター界きってのサウナマニア(自称)としてしかと体験しなくては。義務感にかられ、ママチャリを駆り向かうのであった。
入店すると、まずは検温とアルコールチェック。酔客が個室で寝てしまったら、事故になりかねないということか。これはソロサウナゆえの配慮だろう。
案内された部屋に入ると、今までのサウナの概念を覆すような黒で統一されたシャレオツな雰囲気に、ここでもおののくおじさん記者。しかしサウナは見た目じゃない、中身だ! すぐさま全裸になり、サウナ室に入ると、それほど熱くはない。デフォ温度は75~85度らしい。
薄暗いサウナ室内に目が慣れてくると、目の前にはバケツに入ったアロマオイルがあるではないか。一杯でどれくらい温度が上がるかわからないため、まずはひしゃく半杯ほどのアロマウォーターをすくい、そのままサウナストーンへセルフロウリュ。シュワワワワ~という音がサウナ室に響き、どんどんと温度が上昇してきた。それでもまだ物足りない。
ひしゃく半杯を時間をかけて数回続けると、じんわりが汗ばんできた。キタ! 快感の尻尾をつかんだまま、寝転ぶ。通常のサウナでは御法度のこの行為も、ソロなら許される。ちょうどひとりきりになったとき「えいや!」 と寝転んでみたもののすぐ他の客が入ってきて、ビクン! となり起きる。あんな思いをする必要もない。ここなら好きに寝転がっていいのだ。
そして、寝転びながら思い出す。サウナ室内でヒゲを剃りだすおっさん、サウナ前の柵にタオルを掛けて干すおっさん、おもむろに腹筋し出すおっさん……人間観察としては面白いが、これら“ととのい”を邪魔する行為はもちろんナンセンス。コロナ禍においては、咳払いひとつでさえ隣客に睨まれることもしばしばだったが、ソロサウナならノーストレス。今まで意識することはほぼなかったが、意外とサウナで他人に気を遣ってたんだなぁ……。
コロナが気になってサウナを楽しめない問題
通常のサウナでは御法度の行為も、ソロなら許された
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『ベストサウナ』 アナタだけの“ベストサウナ”は、本書を読めば見つかるはず |
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