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小池都知事にケンカを売った飲食店。“反時短営業”を続けた社長が怒りの告白

3月の月次売上高は前年同月比87%増を達成

 コロナ禍では国を挙げての自粛に水を差すような行為は、しばしば炎上してきた。その典型は政治家の会食だろう。だが、今回のGD社の反時短営業と法廷闘争には多くの国民が支持を表明している。訴訟費用の支援を目的としたクラウドファンディングでは2週間で1800万円も集まった。  直接、GD社を応援する人も増えている。同社の3月の月次売上高はコロナ禍にありながら、前年同月比87%増を達成。過去最高の売り上げを記録した店舗もあったという。これにはGD社関係者も「まったく予想していなかった反響」と驚きを隠さない。 「2度目の緊急事態宣言が出された今年1月以降は、一部店舗で深夜まで満席状態が続き、入店まで2時間待ちになった日もあったようです。それだけ混雑しても、感染者はほとんど出ていない。国内でコロナの感染拡大が確認されてから1年になりますが、当社の従業員のなかで感染したのは数人。すぐに自宅療養措置をとったため、クラスターは一度も発生してません」  果たして、都の時短命令は適切だったといえるのか……? まだまだ論議を呼びそうだ。

呑兵衛、ナンパ師、高齢夫婦も。深酒するコロナ禍の上野

グローバルダイニング

3月31日21時を過ぎた直後の上野駅前通りの様子。大半の居酒屋が満員だった

 時短命令を受けたGD社以外の店とは? リストを見た都の関係者は「上野の居酒屋が多い」と話す。実際、上野はコロナ上等の異様な酒気に満ち溢れていた……。  3月31日20時、アメ横通りと並行に走る上野駅前通りに足を踏み入れると、すぐさま千鳥足のサラリーマンとすれ違った。通りの両サイドの居酒屋は、いずれも路面に並べた簡易テーブルまで満席の状態。女性が席につけば、すぐさま隣の男性が声をかけて即席の相席屋と化していた。なかには路上から「一緒に飲も!」と女性の隣席に滑り込む手慣れたナンパ師の姿も。  当然、パーテーションはなく、席の間隔は濃厚接触すれすれ。都は21時までの時短営業を要請しているが、通りの十数店は気にせず営業を続け、数店は満席を理由に客の入店を断るありさまだった。 「どこも24時までやってるから平気ですよ」  店員に時短命令を受けたらどうするのか?と尋ねても、お構いなし。自粛を続ける人々からすれば不謹慎極まりないだろうが、「上野のおかげでギリギリ稼げています」と話す”流し”の姿もあった。  とはいえ、上野全体が時短要請を無視しているわけでもない。ほかの通りは21時を過ぎると大半の明かりが消えるのだ。 「(要請を無視する)あの人たちのせいでコロナが収まらないのよ」と吐き捨てる居酒屋店員もいた。それでも人は上野の魅力に抗えない――明らかに80歳を超えた高齢夫婦が24時まで仲睦まじく飲み歩く姿を目の当たりにして、記者は得心した。 <取材・文・撮影/吉岡 俊 池垣 完(本誌)> ※週刊SPA!4月6日発売号より
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週刊SPA!4/13号(4/6発売)

表紙の人/ モーニング娘。’21

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