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いち早く猫組長が報じた闇ワクチンの全容は?『ネコノミクス宣言 コロナ後の幸福論』発売記念

 元経済ヤクザ・猫組長と漫画家・西原理恵子の「ネコノミクス宣言」。  週刊SPA!誌上で5年におよぶ連載が堂々完結を迎えるなか、第3弾『ネコノミクス宣言 コロナ後の幸福論』が4月9日に発売!  コロナ禍で、悪い奴らがやりたい放題している実態を猫組長がつぶさに活写してきたが……これまでは刺激が強すぎると、ネット転載は見送られてきた。しかし、新刊発売を記念し、特別に収録エピソードを公開します。  今回は日本に入ってきている闇ワクチンについて。そのルートや手口を猫組長は早い段階で報じていた――。(『週刊SPA!』2021年2月2日号)

新型コロナに乗じた悪しき闇ワクチンビジネスの全容

neko190「コロナワクチン入荷しました」  居酒屋が初モノの松茸を仕入れたくらいのノリである。  新型コロナワクチンを接種しませんか?という医療関係者からの誘いだった。中国シノバック・バイオテック製ワクチンを2回接種して料金は20万円らしい。  原価数百円の、それも安全性・有効性が確立されていないワクチンが1回10万円とは驚きである。覚醒剤よりよい儲けだ。路地裏で人目を気にしながらコートの内側に隠したワクチンをチラ見せする売人の姿が頭に浮かんだ。  もちろん、正規ルートによらない闇ワクチンだから法外な料金も仕方がないだろう。だが、新型コロナに感染する確率と感染した場合の重症化リスクを考えれば、タダでもいらない。  2021年2月末から国内でも順次、ワクチン接種が始まる。もちろん正規な医療行為で費用はかからない。  さらに、ワクチンで健康被害が出た場合、製薬会社の損害賠償による損失を国が補塡する補償つきだ。これにより、製薬メーカーは安心してワクチンを大量供給できる。    そのような背景から、安全も補償も担保されていない数十万円の闇ワクチン接種など誰もしないと私は思っていた。  ところがである。企業経営者など数十人がすでに闇ワクチンの接種を受けていたと報道されたのだ。しかも、家族にまで接種させていたらしい。情弱というか軽率というか、失笑モノである。  この報道から数日後、シノバック製ワクチンの有効性が50%程度しかないと発表された。副作用についてはまだわからない。  調べてみると、闇ワクチンは複数のルートで大量に日本国内へ入ってきていた。  私に声をかけてきたのは、主に中国人富裕層の医療ツーリズムを受け入れていた美容外科医である。そこにワクチンを持ち込んでいたのが中国の旅行代理店と医療ツーリズムのコンダクターだった。
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重病に悩む人をカモに悪魔のニセ医療ビジネス
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猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 コロナ後の幸福論

元経済ヤクザ「猫組長」&漫画家「西原理恵子」 異色のタッグが疾走した「週刊SPA!」人気連載が堂々完結!

猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 完全版

連載100回を記念して、貴重な第1話から最新100話まで、“西原理恵子のカラー漫画もすべて掲載”した完全版として再登場!
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