ライフ

120歳まで現役で生きるために。「健康の常識」を疑うことで見えてきたもの

健康長寿を正しく知るための、珠玉の一冊

 このコーナーでは、毎号一冊、僕が『ガチ速』メソッドにたどり着くまでに感銘を受けた素晴らしい書籍を紹介していきたいと思います。 親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起源に迫る』島 泰三著(中公新書/2003年)  本書は人類の手の形状が他の霊長類に例のない異質なものであることに着目し、初期人類の主食がなんであったのか?という謎に挑むもの。出版社が「スリリングな知の冒険」と紹介しているけど、まさにその通り! ちょっと冒頭だけ読んで寝るつもりが、徹夜で読破してしまったほど知的好奇心を大いに刺激されました。  まず、僕が20世紀に教科書で学んだ常識が21世紀にはまったく変わってしまっていたことに驚いた。僕らはアウストラロピテクスが最古の人類と習ったけれど、ホモ・サピエンスの祖先じゃないなんてね。  人類学にしても霊長類研究にしても、常識というのはどんどんアップデートして時に180度変わることさえあるんだ、ということを改めて感じたこともこの本を読んで得た大きな収穫です。

人類の進化の常識は日々アップデートしている

 著者は童謡で知られる猿のアイアイを長年研究していくなかで、霊長類の口と手の形態は主食によって決定されていることを発見する。そこから、1本だけ離れて生えている太くて短い親指とガラスをも噛み砕ける硬い歯を持つ初期人類は、拇指対向性の手で石を握り骨を割り、平らな歯列と臼歯によって骨をすり潰し、骨髄や脳を主食にしていたのではないか?という結論にたどり着きます。  この本が出版されたのは2003年。この時点では霊長類の研究から見た「骨髄主食仮説」にとどまっていたことが、2019年にケセム洞窟で骨を缶詰のように保管して食べていたことが物証として発見されたことで、仮説は「仮」ではなくなった。  ケセム洞窟では2020年にも40万年前の歯が発掘されています。人類学、考古学的にも人類の進化の常識は日々アップデートしている。こうした視点を再考できる一冊です。 <取材協力/仲田舞衣 撮影/高橋宏幸>
企業グループオーナー。作家。断糖高脂質食で30㎏以上の減量に成功。現在は健康長寿の人類学研究に勤しむ。著書『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速”脂”ダイエット』『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』。ツイッター@ShigekiKanamori

120歳まで生きる 最強のサプリ&健康長寿術

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