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120歳まで現役で生きるために。「健康の常識」を疑うことで見えてきたもの

「健康の常識」を疑うべし。現代人の不調の大元を再考

金森式 肥満に代表される現代人の不調を理解するには、旧石器時代の人類の暮らしに思いを馳せることがとても役立ちます。旧石器時代、すなわち農耕が開始される前の狩猟採集型の生活です。  そもそも旧石器時代の食生活がどんなものだったかと言えば、肉、魚、ナッツ類が中心でした。米や小麦といった穀物やイモ類=糖類を食べていなかったため、虫歯や歯周病にかかることもなく、死ぬまで親知らずが残るなど、現代人よりも遥かに良好な口腔環境を持っていたといいます。 「人類は農耕によって退化していった」――耳の痛い現実を1930年代に説いていたプライス博士の慧眼は、歯周病が脳卒中やがんなど死に至る病を引き起こす要因であることが明らかになった今こそ、一聴に値する説だと思います。

正しいルーツを学ぶには旧石器時代に着目せよ!

 こうした人類学的アプローチで最新研究に目を向けると、さらに興味深いニュースに出合いました。2019年に、前期旧石器時代の遺物が多く発見されているイスラエルのケセム洞窟から、旧石器時代の人類が動物の骨髄を主食にしていたことを裏づける物的証拠が見つかったのです。  現代人は赤身肉のみを可食部としていますが、もともとは大型肉食獣などが食べ残した骨を洞窟に持ち帰り、骨に付着した肉からタンパク質と脂質、骨髄に含まれるビタミン、鉄、カルシウム、マグネシウムを摂取していました。  このことからも、穀物や野菜が本質的に人類にとって必要ないことがわかり、『ガチ速』の基本理論となる「断糖高脂質食」への確信を強めていきました。  人類学や生化学、栄養学を横断して突き詰めていくと、現代人が妄信する「健康の常識」は、実は非常識であることがとても多いことに気がつきます。  そして、それは当然のように「食生活」に限らず、例えばエアコンの利用など体温調節の必要がなくなった住環境、足の機能を無視した靴の存在など、あらゆる点で健康を蝕む習慣が溢れています。  コンクリートジャングルに生きる僕たちが、今からサバンナを生きた旧石器人と同じ生活をすることは現実的ではありません。ただ、本質的な健康にアプローチする重要なエッセンスを見誤らなければ、30㎏の減量をはじめとした不調の改善は簡単にできます。  次回は、僕が実践している食以外のそうした習慣を紹介します。
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健康長寿を正しく知るための、珠玉の一冊
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