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スギHD会長ワクチン優先接種問題。地元住民からは意外な声も

悪質なクレーマーレベルだった優先接種の要望

杉浦夫妻

スギHDの会長である杉浦広一氏と妻の昭子氏。(杉浦財団HPより)

 一向に進まないコロナワクチンに業を煮やしている人が多い中、神経を逆なでするような問題が起きた。それは愛知県に本社を置くドラッグストアチェーン・スギ薬局を展開するスギHDの創業者、杉浦広一会長とその妻、昭子相談役が西尾市のワクチン接種の予約枠確保について、便宜を図るよう強要したとされる問題だ。地元紙記者に話を聞いた。 「5月11日に行われた西尾市の会見では、副市長が便宜を図るよう指示したとして、市長以下が頭を下げて謝罪しました。しかし、会見では市長から現場が何度も断ったのにもかかわらず、執拗に秘書から訴えを受けたことが暴露され、『通常の働きかけではなく、より強い圧力というかプレッシャーという認識でした』というコメントも発表されました」  だが、当のスギHDからは「不快な行為があった」として謝罪文が出されたのだが、そこには「秘書が勝手にやった」「会長は過去にアナフィラキシーショックを経験したため接種を望んでいなかった」と書かれ、火に油を注ぐ結果となった。 「言い分が二転三転し、最後は秘書のせいと言い逃れしようとしていますが、会長のワクチン接種が取りやめになったのは会場に向かう車内だったとすでに暴露されています。また、市の関係者にも話を聞いたのですが、実際、便宜を図るように電話をしてきた秘書からはかなり執拗に高圧な言動があったようです。何度断っても電話がかかってきて、最後は『あなたじゃ話にならない。上を出して』とまで言われたそうです。  どうにも困り果てて上司に話を上げたところ副市長が政治判断を下したわけですが、余ったワクチンを市長が接種してニュースになるようなご時世で、接種については現場や行政はかなりナーバスになっています。ルールを逸脱して優先接種を許可してしまった背景には、かなりの“苦渋の決断”があったのは想像に難くない。もう、完全に悪質なクレーマーですよ」

地元の名士である杉浦会長

 では、なぜこうした高圧的な態度で西尾市に迫ることができたのだろうか。その背景には一代で巨大ドラッグストアチェーンを作り上げた杉浦氏の“地元への貢献”があったからに他ならないという。 「スギHDは1976年にスギ薬局が西尾市で創業したことから始まります。2000年代前半に当時のジャスコ(現イオン)やドラッグストア大手のツルハと資本提携をしたあたりから勢力を拡大。2019年にはココカラファインの経営統合を巡ってマツモトキヨシホールディングスと激しいデッドヒートを繰り広げました。現在は業界5〜6位に位置していますが、もしもココカラファインの経営統合に成功していたら、営業規模は1兆円規模となりドラッグスト業界のトップに立っていたかもしれません。  豊富な資金源と杉浦氏の手腕で成長を遂げたスギHDですが、地元への貢献は非常に高く、2011年には公益法人杉浦財団を創設し、医療分野における多数の研究に助成金を出したり、研究やフォーラムを開いています。既に報じられておりますが西尾市にはスギ薬局1号店の跡地を市民が利用できる健康施設とし無償貸与しています。また、相談役でもある妻の昭子夫人は西尾市シティプロモーション特命大使にも今年4月に就任しています。杉浦氏は名実共に地元の名士なのです」(前出記者)  とはいえ、いくら地域に貢献していたといえど、さらには仮に秘書が先走ったとしても、こうした行為は許されるものではない。
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優先接種を議員にお願い
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