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上司と部下の飲みニケーションは消えるのか。世代間の意識差から考えてみた

 あらゆる年代の人がいる職場はまさに“世代のルツボ”。特に社会に出て間もない人にとって、過重労働が社会問題になっている時代にあって嬉々として“徹夜仕事”をしたり、なんでも電子化、レンタルできる世の中で“モノにこだわる”40代以上の世代は奇異に映るかもしれない。  社会の文脈的に“ロスト”されてきた世代は、日々どんなことを想い、令和を楽しもうとしているのか。貧乏クジ世代と揶揄されつつも、上の世代の生態をつぶさに観察し、折衝を繰り返してきたロスジェネ世代の筆者ふたりが解説していく。

コロナ禍を経て、職場での飲み会はこのまま消滅するのか?

押本達希

イラスト/押本達希

「飲み会、減りましたよね……。以前は一度飲みに行ったが最後、二次会は当たり前、三次会まで行くのが目下のお楽しみでした。決して人望が無いほうではないと思うのですが、気づくと20代、30代の連中は一人減り、二人減りと…。寂しいもんです。コロナ禍になって回数がぐっと減ったのは、彼らにとってはラッキーだったのかもな…。」(42歳・食品メーカー)  若者を中心に飲酒の習慣は年々減少しています。「20~30代の男性の飲酒習慣率(週3日以上、1日1合以上飲酒する割合)は20年前と比べておよそ半分程度」(出典:ニッセイ基礎研究)という数字からも明らかです。  つまり、ロスジェネ世代が若かった頃と比較して、今の20〜30代の飲酒量が半分になっているという事実からも、日本中の酒場で“上司の酒盛り問題”が頻発しているのが確かだと思われます。おまけにお酒が入ると語気も強くなり、パワハラ問題にまで発展するということも残念ながら最近よく聞く事案です。  トラブルに発展するような飲み会はそもそも問題外ですが、願わくばこうした世代間ギャップを縮め、楽しく前向きな飲み会をしたいものです。  ロスジェネ世代の筆者が若い頃も御多分にもれず、かなりの頻度で上司や同僚達と飲みに行ったものでした。デイタイムのかしこまった会議では相互理解に至らなかった議題が、お酒の力で上司・部下の垣根を取り去り、忌憚なく話せることも多かったと記憶しています。「飲んで解決」なんて言葉も小気味よく聞こえる人たち、それがロスジェネ世代の一つの特徴かもしれません。  深夜に飲み終わると再び会社に舞い戻ってひと仕事!なんてこともしばしば…。今考えるとゾッとしますが、当時はそれはそれで楽しんでいたように思います。しかし苦手な人にとってはたまったものではないはず。果たしてこれからの「飲み会アリなし論争」はどこに向かっていくのでしょうか。

飲みたくなるのは進化の宿命!?

 そもそもなぜ仕事とお酒がこんなに密接な関係なのか。その歴史を深く掘り下げた「飲みたくなるのは“進化の宿命”!?酒の知られざる真実」(出典:NスペPLUS)によると、1万2000年前のトルコにある人類最古の神殿の遺跡の近辺で小麦から酒を造っていた可能性があるそうです。  考古学者によると「これほどの大神殿を築き上げるには、多くの人が力を合わせなければならなかったはずだ。酒には人々の友好を深め、一致団結させる力がある。神殿建造のために集まった人たちが、大量に造った酒をみんなで飲み、宴を開いていた可能性がある」とのこと。どうやら太古の昔から既に「仕事と飲み会」の関係が完成していたという見立てができそうです。  こんな話を聞くと「昔も飲んで気持ちをリフレッシュしていたんだ!」と共感する人がいる一方で、「そんな昔から既にパワハラが……」とその歴史の積み重ねにうんざりする人も少なくないことでしょう。しかし、とてつもなく長いお酒と人類の関わりを知るにつけ、一口に切り捨てるのも野暮な気もしてきます。  改めて、世代間で広がり始めた飲み会の是非について。とどのつまり、時代の変化に応じてフレキシブルに楽しめる方法を見出して前向きに活用していくのが現時点での正解なのでは……そう考えます。飲み会好き層と忌避層の溝を埋めるこんな3つのアイデアはどうでしょう?
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