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河村たかしの「メダルかじり」で思い出す、高田純次の伝説「メダルを口の中に」

高田純次も金メダルを口の中に……

 同じ「元気が出るテレビ」で高田純次は、河村たかしよろしく、オリンピック選手の金メダルも口に含んでいる。ソウルオリンピックのレスリングで金メダルを取った小林孝至は、そのメダルを電話ボックスに置き忘れてしまう。結局そのメダルは拾った人が警察に届けてくれて、小林の元に戻った。当時はこの出来事がニュースとして大きく報じられた。
高田純次

高田純次オフィシャルブログより

 その戻った金メダルを見るために、高田純次は小林孝至の家を訪問する。そこで、金メダルを一瞬口に含み、袖で拭いて小林に返す。ロケの最後に小林に一言を促すと、「金メダルが戻ってきてほんとによかったです。皆様も機会がありましたら見てください」。小林さんいい人すぎる!

同じような行為でも高田純次と河村たかしは何が違う?

 このどちらの動画も検索すればネットにあがっている。「元気が出るテレビ」は、現在のバラエティ番組の原型となった番組だと思う。今見るとむちゃくちゃシュールだ。その自由さがなんだかうらやましい。  高田純次は非常に面白い。河村たかしは非常に情けない。同じことをしても真逆な気持ちになる。それは当然で高田純次は「デリカシーのない人間」のパロディをしているからだ。今動画を見ると、暗黙の了解が取れている感が伝わってくる。清川虹子のほうは完全な「劇」だろう。それにしてもデフォルメされたキャラクターを地で行く人間が30年後に現れるとは驚きだ。しかし、その情けなさを河村たかしに説いても、理解してはもらえまい。
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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