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ジェットコースターのような菅首相の2年。最後の切り札は…/倉山満

菅内閣にも8月15日から総裁選までの2週間は、チャンスがある

 ところが今は、コロナがすべてに優先する。もはや菅内閣は万策尽きたように見えるが、8月15日から総裁選までの2週間は、チャンスがある。仮に引きずりおろされるとしても、徹底的に戦えば未来が見える。  自民党の歴史を振り返れば、満身創痍の政権の降り方で後世に影響力を残した総理大臣は何人もいる。  その中で特に推奨したいのは、三木武夫だ。三木は党内の3分の2を敵に回す「三木おろし」を真っ向から迎えうち、1年に及ぶ死闘の末に田中角栄を逮捕、粘れるだけ粘って辞め際に、「党員による自民党総裁選」という政策を呑ませた。何度も「脱党カード」をちらつかせ、「自分を降ろすなら自民党を潰すぞ」と恫喝を連発した。この三木おろしの経験があるので、「現職総理を引きずりおろそうとすれば必ず返り血を浴びる」との恐怖感が、いまだに植え付けられている。

「現職総理のまま脱党して、維新の会と組むぞ」くらいの脅しをしては如何か

 さて、菅首相にできることは何か。何としても、コロナを指定感染症の5類に叩き落とすことだ。仮に菅首相が降ろされたら、次の内閣はやりにくくなる。「ゼロコロナ」ではなくフォーエバーコロナだ。  なんなら、いっそ「現職総理のまま脱党して、維新の会など改革野党と組むぞ」くらいの脅しをしては如何か。  これが本当に最後のチャンスだ。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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