カーライフ

ターゲットはZ世代の新型シビック。でも歓喜したのは昭和世代でした

国産車のライバルはいない

オートクラブ

BMW 3シリーズ

 新型シビックには、比較すべき国産車のライバルはいない。相手は輸入車のみ。具体的にはBMW3シリーズやプジョー508あたりが思い浮かぶ。どちらも古風にカッコいいセダンタイプで、保守的デザインを好むカーマニアの人気は高い。新型シビックは、この2台のいいとこ取りをしたようなカッコよさ! 今、先代BMW3シリーズに乗っている自分には、まさに「どストライク」。意味もなく買い替えたくなってしまいました。  といってもこのクルマ、決して中高年カーマニア向けに開発されたわけではない。狙いはジェネレーションZ、つまり現在の20代だという。そんな若いヤツに最低319万円もするクルマが買えるのか!?って思うけど、シビックはそのほとんどが海外で売れている。海の向こうでは20代がこういう八千草薫風のクルマを頑張って買うのかなあ……。サッパリわかりませんが、59歳の私のココロにも刺さりました!  というわけで、オッサンはこのカッコだけでビビビときてしまったのですが、走りに関しては、加速もコーナリングも乗り心地も、すべてがジワっと良かったです。エンジンはいまのところ1500ccのターボのみ。182馬力は適度にパワフルだが、特にステキというほどでもない。燃費も、普通に走ってリッター10㎞ちょい。これと言って飛び抜けた部分はないけれど、お嫁さんにしたいタイプってそういうもんだよね?

6速MTが!

オートクラブ そして、新型シビックの特筆すべき点。それは相変わらず6速MTが用意されていること! シビックは先代にもMTがあり、国内販売の約3割がMTだったのだ!!  日本におけるAT車販売比率は、99%に達している。なのに先代シビックは3割がMT。つまり本邦では、シビックはカーマニア専用車に近い存在なのである。グローバルでは年間80万台も売れる世界第5位の量販車(’19年)だっつーのに、日本では昨年たったの6000台しか売れず、50位以下の圏外だったのは、カーマニアしか買わなかったから!?
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MTのフィーリング
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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