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引きこもり大学生を「YouTuber黎明期の立役者」に変えた“スヌーピーの言葉”

凄腕PRマンAさんとの出会い

出会い そんな読書漬けの日々を過ごしていると、もう一つの人生を変える出会いが巡ってきました。当時、僕は自分を奮い立たせて学生団体主催のイベントに参加するようになっていました。そこでの縁で繋がったのが、のちに僕が起業するうえでのメンターになってくれる人物、Aさんでした。  Aさんは広報戦略を立てる能力が抜群に優れていて、企業だけでなく政党からもPRを依頼されるほどの凄腕ビジネスパーソンでした。話を聞き出すのがうまい彼のトークに乗せられ、僕は初対面なのに自分の状況や考えを赤裸々に話していました。すると、彼はこう言ったのです。 「森くんは、僕に似ているね」  聞けば、今は凄腕PRマンとして活躍するAさんですが、頭を使って戦略を立てられる 半面、生まれつき体が弱く、長時間の実務ができないという「弱み」を抱えていました。若い頃は、戦略の立案から実行まですべてを自分でこなそうとした結果、体に無理がきて、失敗する機会が多かったそうです。 「だから僕は、最小限の努力で最大の結果を出す方法をいつも考える。身体的にできないことは絶対に一生できない。100mを9秒台で走ろうと思ってもムリでしょ? でも、ビジネスの世界では、戦略次第で『できないことが、できる』ようになるんだよ」

他人に憧れるのではなく「本来の自分を活かす」

 Aさんは僕に「自分ができることに集中して、そこで一番になる生き方」を教えてくれました。人見知りなのに誰とでもうまく付き合おうとするなど、「苦手なことを克服しよう」と必死になっていた僕とは、真逆の生き方です。 「森くんが得意なことは何だと思う?」 「どういう生き方なら本来の自分を活かせると思う?」  そんな問いかけを、Aさんは何度も何度も繰り返ししてくれました。その日から僕は、 なれもしない他人に憧れるのではなく「本来の自分を活かす」という行動指針を持つようになったのです。  僕はますます学生団体の活動にのめり込むようになり、自分が代表を務める団体を立ち上げるまでに至りました。その団体は、徐々に多くの経営者志望の学生を集める場所に成長していきました。
1990年、兵庫県生まれ。2015年にYouTuberなど動画インフルエンサーのプロダクション「VAZ」を起業。インフルエンサーマーケティング事業やSNSプラットフォーム事業などを手がけて同社を急成長させる。現在はTikTok運用に特化したマーケティングエージェンシー「Pien」の代表を務める。著書に『「ダメな自分」でも武器になる』 (Twitterアカウント:@taiki_pien

「ダメな自分」でも武器になる

コンビニバイトはクビでも、年商14億企業をつくった男の人生戦略

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