デジタル

フェイスブックが社名を“メタ”に変更。ザッカーバーグ「仮想空間に10億人」の現実度

フェイスブックが「メタ」に社名変更

meta

フェイスブックはメタに社名を変更する

 10月28日、フェイスブック(Facebook)は社名を「メタ(Meta)」にすると発表した。日本ではあまり使われない言葉なので面食らうが、これは「メタバース」から取られている。メタバースとはSF小説に登場したインターネット内の仮想世界という言葉だで、メタ(超越した)とユニバース(宇宙)の造語だ。  そもそもフェイスブックはSNSのフェイスブックだけでなく、様々なサービスを提供するようになっていた。MessengerやInstagram、WhatsApp、Oculus、Workplace、Portal、Noviなどを多数の人々が使っており、フェイスブックだけを名乗るのは現状にそぐわなくなってきていたのだ。  そこで、社名を変更し、その下にアプリ部門とリアリティラボ部門を設け、フェイスブックやInstagramなどはアプリ部門下に置かれることにしたのだ。リアリティラボ部門は、主にXR技術の開発やプラットフォームの構築に注力する。今後の財務発表もそれぞれの部門ごとに報告される予定。ちなみに、証券取引で使われる銘柄コードは「MVRS」になる。

仮想空間で自分の分身が動き回る

ザッカーバーグ

メタバースについて語るザッカーバーグ氏

 メタ(元フェイスブック)の考える「メタバース」は、リリースによると「現在のさまざまなオンライン上でのソーシャル体験を掛け合わせたようなものになります。時には3次元に拡張され、時には現実世界に投影される」ものだという。  フェイスブック創設者のマーク・ザッカーバーグはブログで、次のプラットフォームは没入型になると言っている。拡張現実(AR)や仮想現実(VR)などの技術を活用して、友だちや家族とつながり、コミュニケーションしたりビジネスを行ったりできるようになるのだ。  ユーザーは分身となるアバターを作成し、仮想空間の中で動き回れる。「Facebook Connect 2021」で公開された動画では、複数のアバターが集ってゲームしたり、学習している様子が紹介されていた。VRだけでなく、ARデバイスを利用することで、アメリカでリアルにコンサートに参加している人が、日本の友だちを呼び出し、アバターと一緒に楽しんでいる様子も未来感があって面白そう。  メタバースは昔から映画やテレビ番組でお目見えしている。例えばVRタイプなら、「トロン」の「グリッド」、「レディ・プレイヤー1」の「オアシス」、「サマーウォーズ」の「OZ」など枚挙にいとまがない。ARタイプなら「電脳メガネ」でメタバースを社会インフラとして使っていた「電脳コイル」などがある。
次のページ
セカンドライフの二の舞の可能性は?
1
2
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ