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コロナ禍で高まるドラム式洗濯機の需要。パナソニックに洗濯のコツを聞いた

 日々のライフスタイルを過ごすなかでも、 「洗濯」は欠かさず行う家事のひとつ。当たり前にこなしている家事だからこそ、あまり意識せずに洗濯物を洗っている人も少なくないだろう。一方で、正しい洗濯の仕方を身につければ、効果的に汚れを落とすことができ、QOL(生活の質)の向上につながると言える。
パナソニック

パナソニック ランドリー・クリーナー事業部で課長を務める國司(くにし)有香さん

 感覚的に行う洗濯から、ちょっと意識して行う洗濯へ。今回は、パナソニック ランドリー・クリーナー事業部で課長を務める國司(くにし)有香さんに、コロナ禍で変化する洗濯事情や知っておきたい洗濯の仕方の基本について話を伺った。

黄ばみやシミ汚れは蓄積した油分を抜く必要がある

ななめドラム洗濯乾燥機

ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129AL

 感覚的に普段こなしがちな洗濯だが、國司さんは「実を言うと、洗濯機を使う8割くらいのユーザーは『おまかせ』ボタンを押して洗濯をしている」と話す。 「あれこれ考えず、いわば洗濯機に“おまかせ”することで、洗濯物を綺麗に洗いたいと思うユーザーは多くいらっしゃいます。調理で例えると、とっさに温めて美味しい料理を食べたい時は電子レンジを使うように、洗濯機もボタンひとつで簡単に洗濯ができるのは大きなメリットです。  パナソニックでは2003年からドラム式洗濯乾燥機を発売していますが、様々なセンシング機能を搭載した“スマート洗濯機”では、衣類の量などに応じて水や洗剤の容量を自動で計算し、洗濯効率を最適化できるようになっています。そういう点では、洗濯の仕方に特段こだわらなくても、感覚的に洗濯機を使っていただけるでしょう」  とはいえ、日々の暮らしを送っていると、ついうっかり衣類に汚れを付けてしまうのはよくあることだ。  ワインやコーヒーをこぼしたり、食事中に誤って食べ物を落としたり……。  シミ汚れや油汚れは概して手強く、洗濯をしてもなかなか汚れが落ちないので、頭を悩ませている人もいるのではないだろうか。  頑固な汚れを効果的に落とす方法について、國司氏は「油分が繊維の中に入り込んでいるので、蓄積した油分を抜く必要がある」とし、次のように説明する。 「黄ばみ汚れは、皮脂が繊維に蓄積して酸化することでできます。それを取るためには、人肌に近い温度の温水と洗剤に入っている界面活性剤の力で、油分を液化し、繊維から抜けやすくする必要があります。昔からのおばあちゃんの知恵として『ぬるま湯に洗剤を入れ、その中に黄ばんだ洗濯物を浸け置くと黄ばみが取れる』というのがありますが、これをドラム式洗濯機で再現した『約40 ℃つけおき(普段着)』コースを選択すれば、数時間で黄ばみの除去ができるようになっています。  オリーブオイルやステーキの脂などの油汚れも、同様に洗濯することで綺麗になるでしょう。ここで大事なのは『水』『洗剤の力』『機械力』がうまくバランスを保たないと、汚れを繊維から離すことができず、いい洗濯が実現できないことです」

洗濯を楽しむには“自分流”のノウハウを溜めていくこと

國司 一方、國司さんは「洗濯というのは物理現象のかたまりで、さまざまな化学的アプローチが複合的に重なりあって、汚れが落ちるメカニズムを作っている」と述べ、洗濯すること自体に興味を持つことの大切さについて意見を語った。 「洗濯物の素材や水の質、温度、洗剤の働きなどが複合的に掛け合わさり、初めて汚れが落ちる仕組みになっています。ただ、このような理論的な内容までを気にしている方はまれなので、色々と洗濯にまつわる情報を取得しながら、“自分流”のノウハウを溜めていくと洗濯を楽しめると思います。 『どんなふうに洗えば、黄ばんだ汚れが取れるか』などを自分なりに工夫しながら洗濯し、ときには失敗したりしながら取り組んでいけば、綺麗になったときの達成感や喜びをより感じることができるでしょう。もちろん、TPOによってはクリーニングを活用するのもいいですが、『工夫して洗濯してみる』ことに面白さや楽しさが潜んでいるのではないでしょうか」
スマホで洗濯

パナソニックの洗濯機公式アプリ「スマホで洗濯」。遠隔から洗濯機を操作したり、運転状況を確認できるという

 また、QOLを高めるために意識した方がいいことについても、國司さんへ伺った。 「もともと綺麗だったものが汚れてしまい、それを綺麗にするために行うのが洗濯や掃除です。つまり、0からマイナスに陥ったのを、再び0へと戻していく作業なわけで、そのプロセス自体を楽しむのもいいでしょう。ただ、QOL向上の観点で考えると、0に戻すだけでは、なかなか生活の質が向上したと感じられないかもしれません。  QOL向上を図るには“スマート洗濯機”を活用するのも一つの手です。パナソニックでは、2017年からスマホアプリ『スマホで洗濯』を利用した遠隔操作ができるドラム式洗濯乾燥機を発売していて、自宅にいない間でも外出先から洗濯機を回せるという利便性が好評です。スマホの簡単操作のみで洗濯から乾燥までが行え、帰宅後はたたんでしまうだけという洗濯の効率化が図れるので、余暇や趣味に費やす時間も確保でき、QOL向上の一助になると考えています
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コロナ禍で洗濯回数や洗濯量が増加している
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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