念願の再会「由佳さんの顔が浮かんだ」
一方、小阪さんはグラビアアイドルを引退後、もうひとつの夢だったという保育業界に転身。保育助手の仕事から、保育園の経営にも携わってきた。また、自身の経験を活かして芸能人のメンタルケアやセカンドキャリア問題と向き合い、支援する活動なども行う。
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小阪由佳「“元アイドル”はキャリアにならない」悩み続けた引退後の人生
栩原さんは、そんな小阪さんの姿をネットで検索するなどして見ていた。
「1年ぐらい話し合った末に離婚が成立して。ようやく次の人生を生きようと思えたんです。この先、もしも再び結婚するならば、いちばん好きになった人じゃないとダメなんだろうなって……。そこで、
やっぱり由佳さんの顔が浮かんだんです」(栩原さん)
もう忘れられているかもしれないと思いながら、SNSで近況にかんしてメッセージを送ってみたという。
小阪さんは連絡がきたときの気持ちについて、
あまりの変化に当初は理解が追いつかなかったと話す。
「現在までの経緯が、いきなり結婚とか離婚とか情報量が多すぎて。それならば久しぶりに会って直接話そうかって」(小阪さん)
再会を果たすと、仕事や恋愛のことなど「由佳さんの言葉だけは素直に受け入れられる」という“不思議”な感覚は変わっていなかった。あの頃と同じだ……。
栩原さんは
小阪さんを“運命の相手”と確信し、猛アプローチをかけた。
「ただ、私は35歳だったので。次に誰かと付き合うならば、
結婚のことを現実的な目で見なければならない。彼がどれだけ信頼できるのか、本当に身を委ねてもいいものか」(小阪さん)
小阪さんは再び告白されてうれしい気持ちがある一方、栩原さんの“覚悟”に対して
半信半疑だったという。
「私は自営業なので、好きな仕事も今までと変わらず続けていきたい。将来に対して踏み込んで考えるためには、収入の安定は大事な要素。仕事を頑張っている自分が好きだから、自分が仕事を妥協する可能性がある人とは付き合いたくなかった。
理想とする家庭を築きながらも、好きな仕事に打ち込める環境をつくっていかなければならない。そういう話をしたら、
彼が目の前でお父さんに電話をかけて『継ぐ』と伝えたんです」(小阪さん)
そんな栩原さんの姿を見て、結婚が現実味を帯びてきた。小阪さんも本気で向き合おうと思った。
「自分のなかで、
会社に戻る理由が明確になったんです。由佳さんを幸せにするために、一生懸命やろうって。当然、経営者の立場になれば、定時で仕事が終わるとは限らないし、責任も大きくなる。まわりから“2代目”として見られながら、人から信頼されて実績をあげなければならない。そこから逃げていた部分もあるのかもしれませんが、覚悟が決まった」(栩原さん)
「結果的には私が背中を押した形ではあるけれど、会社のことをすごく考えるようになったと思う。トライ&エラーを繰り返しながら有言実行していく。そんな彼に対する気持ちが愛情に変わっていったんです」(小阪さん)
こうして、2021年2月から正式に交際がスタートする。
父親の会社に戻り、2代目とはいえ、ほかの従業員と同じ条件で現場に出ている栩原さん。
ひとつひとつの仕事を覚えていく段階で「今が頑張り時」と捉えられるようになった。
「由佳さんが経営者として生きることに理解があって、常に味方でいてもらえるのは大きい。悩みを話せるし、それにアドバイスをもらうこともある。仕事柄、休日でも現場に出ないといけないこともありますが、気持ちよく送り出してもらえるのもありがたい」(栩原さん)
「彼はまだ会社に戻ったばかりなので、きちんと評価されるように行動しなければなりません。ゆくゆくは自分で時間をコントロールして、いざ私が妊娠して出産するようなときには早く帰ってこれるようにね」(小阪さん)
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):
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