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羽生結弦に学ぶ苦しみや不安と向き合う方法

感謝がもたらす変化

 しかし、そうした時に誰か一人でもお客さんができて、その人に感謝されれば、「自分が今までやってきたことは無駄ではなかった」と心が明るくなります。この不安や苦しみから抜け出す時の変化は本当に劇的で、暗闇に光が差すように感じられます。  だからこそ、起業でも副業でも就職でも転職でも、新しい仕事を始めた時はまず一人目のお客さんで良い結果を残すことが大切になります。お金を稼ぐことを考えたり、お客さんを増やすことを考えるのは、実は二の次三の次の問題です。  羽生のようなオリンピック金メダリストのレベルに達すると、関わってきた人間の数も、その人々との間に生まれている想いの深さも尋常ではありません。そして、前人未到の4回転アクセルに挑むという孤独感と暗闇も同じく尋常ではありません。

心の中で起こる光と闇の対立

 アスリートのように物事を突き詰めていく世界で生きていると、心の中で起こる光と闇の対立が常人よりも激しくなります。今回の北京オリンピックで羽生は4位入賞に終わりました。本人が望んでいた3連覇にはなりませんでしたが、その理由は単に世界レベルの競争が熾烈というだけでなく、自分の中での葛藤も熾烈になっていくからでもあります。  羽生のコメントには「暗闇から思い出がちらついてくる」「みなさんの記憶や今までの自分の人生が思い出すというよりは蛍の光のように広がってくる」「何か意識が飛んでいるような感覚の中で何かをつかみとる」といった、やや宗教的な表現が含まれています。自分の心の中の出来事を表現すると自然とこうした表現になります。  誰とも関わりを持てないと心が暗くなり、誰かとポジティブに関わることができると心が明るくなる。羽生結弦ほど劇的ではないかもしれませんが、人間関係を意識して自分の心を明るくすることは誰にとっても大切です。ぜひ自分の仕事を通して、お客さんに感謝された時のことを思い出してみてください。きっと心が明るくなるはずです。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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