ライフ

借金500万円男。歯の治療費のために水道代の支払いを見送る

アジカンのコードを覚え辞める

 進学校の生徒にとって、人生の本番は大学生活だ。そしてみみっちいことに、彼らにとっての人生の本番とは「サークル・恋愛・アルバイト」だった。  青春初心者の僕たちは、入門編のつもりで軽音サークルに入るのだが、手取り足取り教えてくれるチュートリアルのようなものはなく、初心者マークを剥き出しにして右往左往し、最終的に「お調子者として生き残るか、他のサークルでやり直すか」という二択に迫られる。  体も心もしっかり男の子であるにも関わらず、同じ土俵で戦うのが怖くて恋愛に興味がないフリを続けるのは御免だった。ギターは、アジカンのコード進行を少し覚えて辞めた。英検4級くらいの能力なので、それ以来ギターを触ったことがあると他人に喋ったことは無い。

スケーターの仲間に入り……

 趣味のスケボーは長く続いた。これは単純にスケボーが面白かったのと、少し悪そうな環境にいる自分がたまらなかったからだ。  僕は千葉の大学に入学したので、遊ぶ場所はほとんど柏だった。柏駅は2階に駅があり、駅前部分に車が乗り入れなかったため、深夜はラッパーやスケーター、少し悪い中高生の溜まり場になっていた。  大学中退を決意した後、僕は土日の野球部の遠征以外にやることが無くなり、まだ実家の援助もあって金も持て余していたため、柏で深夜を過ごすことが多かった。  その時に一番興味を持ったのがスケボーだった。当時の柏駅ではスケーターが一番多く、終電も無くなった頃になると6人から10人くらいの悪そうな見た目の少年たちがどこからともなく集まり始め、様々なトリックの練習をしに来ていた。 「いつもこの時間にやっているんですか?」  と声をかけると、 「そうですよ! スケボーやるんですか?」  と快く返してくれた。最初の3回くらいは見ているだけだった。6人が全員同時に滑っているわけではなく、3人滑っている間は残りの3人で雑談をしていた。僕がスケボーを買ってくると、みんなが最初の乗り方から丁寧に教えてくれた。結局オーリーという基礎の基礎みたいな技までしか覚えられなかった。  彼らと遊ぶことによって夜の街が怖くなくなった。人は常に誰かの威を借りるところから始まるのかもしれない。
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ラーメンを食べながら……
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フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。 Twitter→@slave_of_girls note→ギャンブル依存症 Youtube→賭博狂の詩

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