ニュース

ロシアのウクライナ侵攻で浮上する「9条」議論の是非<法学者・小林節氏>

ウクライナに例えれば

 そこで、以上の様な特異な9条を今回のウクライナ情勢に例えてみれば、次の様になるであろう。  まず、わが国は、国是として他国に対して侵略・自衛にかかわらず軍を向けることはないと宣明している、他国にとって極めて安全な国である。  しかし同時に、わが軍が侵略の対象にされた場合には「専守防衛」に徹するとして、質の高い自衛隊を常設している。  だから、今必要な事は、噛み合わず時間も手間もかかる改憲論議に突入するよりも、国民の防衛意識を高めることと、わが国の経済力・技術力・人材に相応しく防衛力を高めることではなかろうか。  現に「話せば分かる」ではない軍事大国がわが国の周辺に複数も存在するのだから、急ぐべきである。 <初出:月刊日本4月号> こばやしせつ●法学博士、弁護士。都立新宿高を経て慶應義塾大学法学部卒。ハーバード大法科大学院の客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。著書に『 【決定版】白熱講義! 憲法改正 』(ワニ文庫)など
げっかんにっぽん●Twitter ID=@GekkanNippon。「日本の自立と再生を目指す、闘う言論誌」を標榜する保守系オピニオン誌。「左右」という偏狭な枠組みに囚われない硬派な論調とスタンスで知られる。
1
2


gekkannipponlogo-300x93

月刊日本2022年4月号

【特集1】貧困・格差が国を亡ぼす!
【特集2】今こそ「属国政治」に終止符を打て!

おすすめ記事